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誰が相手でも “やられに行く” 姿勢が揺るぎない強さに
ーー普段のトレーニングで意識していることはありますか?
寺山:シャドー(相手がいると想定して攻撃を避けながらパンチを繰り出す練習方法)を全力でやること。
あと、マス(力を抑えて攻撃を当てる寸止めで行うスパーリングの一種)では、誰が練習相手でも “やられに行く” ことです。わざとちょっとずつリズムを変えて取り組みます。
そうすれば、いろんなスタイルや様々なリズムを確立できる。だから練習ではあえて “やられに行く” スタンスですね。
ーーその成果が、試合の時に出る瞬間はありますか?
寺山:試合中、「これ練習でやったな」という瞬間は多いです。マスで違うスタイルを練習しているので、「練習したリズムでやってみよう」と攻撃すると相手に当たることがあります。
ーー試合中に考えるというのは、3分間闘っている時ですか?休憩の時ですか?
寺山:お互い打ち合っている時は考えられないですね。ちょっと見合う時間に、「この攻撃なら当たるかも」とか、相手のリズムに合わせた攻撃を考えています。
ーーそのように確立してきた自分のファイトスタイルは、どんな特徴があるのでしょうか?
寺山:自分は試合中に見ている場所が人と違うらしく…。普通は相手の胸あたりを見るそうですが、自分は主に肩と腰のライン、あと全体をぼやっと見ています。打つ時にグっと肩に力が入るので、まずはそこを見ます。
自分はキックボクシングより、ボクシングを見るの好きなんですよ。ずっとメイウェザー選手が好きで、この動きを真似してやろうと思うと、反射的な動きができてしまうんですよね。
あと、顔には極力パンチをもらわないようにしています。顔に打撃をもらう瞬間、首に力を入れずに流しちゃうんです。顔がパコーンってなったら印象が悪いじゃないですか。