水本圭治選手は世界の舞台を目指す中で直面した「競技への情熱の喪失」について語った
カヌースプリントの第一線で戦い続ける水本圭治選手が、「まるスポch」にゲストとして登場。世界の舞台を目指す中で直面した「競技への情熱の喪失」と、そこから立ち直り、東京2020オリンピック出場を掴むに至るまでの心の軌跡を赤裸々に語りました。
水本圭治――4度目の挑戦で掴んだ東京五輪への道と、競技人生を変えた「ある人の一言」
高校時代から頭角を現した水本選手ですが、競技人生の道のりは平坦ではありませんでした。特にロンドン五輪やリオ五輪の挑戦を控える時期、「一生懸命やっても成果が上がらない」という苦しいスランプに陥ります。
「このまま進むと、また辛い思いが待っている」。夢の舞台を目指したいという気持ちの裏で、未来への恐怖から「行きたくない」という感情が半々になるという、アスリートならではの複雑な葛藤があったことを明かしました。この時期、カヌーは「嫌いになった」わけではないものの、自分から乗りたいと思えず、合宿などで与えられた練習メニューをこなすことで、かろうじて競技と向き合っていた時期が長く続いたといいます。
競技から離れることも考えた水本選手を再び水の上へと引き戻したのは、大学卒業後に受けた長崎県からの招待でした。2014年の長崎国体(国民体育大会)に向けたチームへの参加要請です。「続けられる環境があるなら、やってみよう」という思いで長崎へ。これが彼のカヌー人生を繋ぎ止める大きな転機となります。
しかし、真にメンタルが回復したのは、さらに後のこと。2016年のリオ五輪挑戦後、母校である大正大学のカヌー部で練習を共にした際に、部員たちの持つ驚くほどのポジティブさに触れます。この前向きな環境に影響を受け、水本選手の「気持ちの持ち方が180度変わった」といいます。
環境を変えたことが「続ける」きっかけとなり、人との出会いが「情熱を取り戻す」きっかけとなった水本選手。競技人生の集大成を支えた「環境の力」について、詳しくは「まるスポch」で!
記事/まるスポ編集部
写真/本人提供
