――広田さんはすぐに行動に移るタイプですね。ところでオーディションは合格でしたか?
広田:ずっと遊び続けていたので体力はありません。オーディションが決まってから2週間なかったので体力や筋力をつける期間もなかった。履歴書に書くために2週間空手と柔道は習いました。
――2週間ですか?
広田:週一コースで、結果的に2回通いました(苦笑)。オーディションメニューは基礎体力の腕立て50回・腹筋50回・背筋50回・スクワット100回。実技はアピールタイムがありました。「体力がないのは仕方がない。だったらアピールタイムでなんとかする」という作戦に出ました。
案の定、私は腕立て10回・腹筋4,5回くらいしかできなかった。オーディションで基礎体力メニューを完璧にクリアしている人もいました。私よりはみんな出来ていました(苦笑)。
でも私は体力テストを捨てたので、やる気を見せるのにシフトチェンジし「誰よりも出来ないけど頑張っていますアピール」をしました。
その時代は絶対的なものとして全女(=全日本女子プロレス)がありました。古本屋に通っていたので頭に様々な知識が入っています。全女のオーディションのエピソードも読んでいました。
「バット吉永さんはオーディションでバットを折るパフォーマンスをして受かったから、リングネームがバット吉永になった」という情報もあり「オーディションは大切なアピールの場だ。だったら私は瓦を割ろう」と思いました。
何千人もオーディションを受けにくる、という情報もあったので「他の人と瓦割りが被っていたら雑誌を破ろう」と思い週刊ジャンプや週刊マガジン等を破れるかどうか試しました。1番マガジンが破りやすかった(笑)。
オーディションのアピールタイムの時、「瓦割りをやります」とカバンを開けたら、持参した3枚のうち2枚の瓦が移動中に割れていました(苦笑)。