ーーそれは荒井昌一さんの書籍「倒産!FMW」(徳間書店)でも一部、書かれていた話ですね。

新宿鮫:俺が目黒にあるFMW事務所にいくと、外にヤバそうな奴がいっぱいいるんですよ。何事かと思って、エレベーターが開くと「オラァ!!」と凄んだんですけど、相手はお巡りさんで(苦笑)。その後にみんな、事務所に来て、金の字(金村)は金融屋を連れてきていたんです。金村は揉め事があった時に本当に頼りになる男なんですよ!金の字は俺がお客を殴ってしまった時も間に入ってうまく収めてくれたんですよ。

ーーそうだったんですね…。

新宿鮫:金の字と金融屋が「荒井社長を取り返しに行く」と言って、新人の牧田(理)を運転手にして、俺と黒田哲広、金の字で乗り込もうと。ただ向こうに乗り込むならリッキー・フジさんとかフライングキッド市原というわけにはいかないじゃないですか。腹くくっていこうと思っていたら冬木さんが来てくれて、止めてくれました。

ーーもし冬木さんが止めてくれなかったら、警察沙汰になっていたかもしれないですね。

新宿鮫:荒井社長があまりにも可哀そうだったし、冬木さんが制止してくれなかったら、嫌だったけど覚悟を決めて行ってました。

ーー先ほど名前が上がりました荒井昌一社長ですが、団体崩壊から3か月後に2002年5月に36歳の若さで急逝されます。新宿鮫さんにとって荒井さんはどのような社長でしたか?

新宿鮫:荒井社長は俺の1個下(1965年生まれ)なんですよ。選手を凄く大事に思っているというのは感じましたけど、自分ひとりで色々と背負いこみ過ぎているなというのも分かったし…。1度、飲んだことがあるんですよ。ものすごい勢いでビールを飲むんですよ(笑)。「やってられない!」という気持ちがあったのかぁ。「死んだら保険金で…」という話をするから、「そんなことをしても誰も喜ばないですよ」とか言いましたね。

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