中嶋千尋プロの指導は技術だけでなく、人間力アップやフィジカルも重要視
――その工夫が実を結びましたね。
中嶋:その2年後の38歳、東洋水産レディスにてプレーオフで3勝目をあげることが出来ました。この時の2日目の15番ホールのティーショットで両脚が攣ってしまい、横歩きでちょこちょこ進んで100ヤードを5番アイアンで打ち、パーで切り抜けたりしながら進むということもありました。棄権せずに最終日に繋げられて本当に良かったです。
その年の10月に富士通レディスでは際どい1打差での4勝目、初めての年間2勝を達成できました。
本当に3年前に諦めず続けて良かったです。その道中で新たな練習方法をあみ出せたこと、そしてマインドセットできたことは本当に幸運だったと思います。
なんとか工夫しながら5年、毎週対処療法で無理やりもたせてきた私もヘトヘトで単純疱疹になっていた40歳、ここで「三方良し」が叶うという奇跡が起こるのです。
この行き詰った状況、ゴルフとは全く関係のない、思いもよらぬアドバイスを頂きました。はじめはそれをどう解釈して何をすれば良いのかノーアイディアでした。ただ潜在意識に入ったことである行動を起こすこととなったのです。内容は長くなるので割愛しますが、結果的に起こったことの1つは、まさかの自己ベスト更新、63が出たことでした。
――年齢を重ねて自己ベストを更新するなんて、本当に驚きですね。
中嶋:そうですね。引退を覚悟した35歳から粘り学んだことは、人生にとって大きな宝になりました。それは「限界と思ったところからが本番」「制約が増える程、新たな方法をあみ出せる」「夢の威力」「自分の為だけではエネルギー不足」「心底信じること」「マイナスな事は宝の原石」などです。ゴルフからこんなに鍛えてもらうことができて、本当に私は運が良いです。
