初優勝はプロ3年目の1988年6月のダンロップレディースオープン
――ええっ!?普通、プレーオフは嫌がりますよね。
中嶋:初優勝は、終わった瞬間に池があったら飛び込みたい!「ワーッ」と喜びたかったんです。普通の優勝だと、スコアカードを提出する時間があります。「初優勝はそれはいらないなぁ」と思っていました。「それを叶えるにはプレーオフだ」と何度も何度も夢に見てはガッツポーズして起きてました。プレーオフ進出を決めるパットが決まった瞬間は「きた~、ここからだ!」と嬉しかったです。
――そのプレーオフはどうでしたか?
中嶋:リリーフピッチャーのようにオープンカートでスタートホールに向かう中、大歓声に手を振りながらティーグランドに向かうのは気持ち良かったです。ビデオで観たら、「明るいですねー、はつらつとしてますね」と解説してくださっていましたが、本当にニコニコし過ぎくらいでした。もちろん手に汗握るほど緊張はしていましたが、嬉しさの方がはるかに上回っていました。プレーオフは5Hでしたが、ホントに楽しくて嬉しくて、ずっとやっていたかったです(笑)。
<#3へ続く>
編集/まるスポ編集部
プロフィール
プロゴルファー中嶋千尋(なかじま ちひろ)
優勝4回・ 日本プロスポーツ新人賞受賞・ 米ツアー参戦・ ベストスコア63
日本女子プロゴルフ協会公認ドライビングコンテスト優勝(272Y)
東京都出身。PL学園高校を卒業後、1985年にプロテストに合格。1988年には「ダンロップレディスオープンゴルフ」でツアー初優勝。翌年にはアメリカツアーに挑戦。帰国後、原因不明の首、背中、腰痛に苦しみ、以降長らく芳しい成績を残せなかった。1998年、「健勝苑レディス・道後」で約10年ぶりの優勝。2002年には2勝で通算4勝。2004年には「ミズノクラシックレディス」で“63”という自己ベストスコアを40歳で更新、2006年21年間のツアー生活に区切りをつける。その後、デザイナー、講演、企業研修なども手掛ける。現在は人生観も詰まっている「MOVE GOLF ACADEMY」にて、トッププロ育成と大人の可能性も引き出す指導に力を入れている。これまでの常識を刷新するMOVE理論で能力開花する人が続出。上手くなるだけではない人間力アップにも力を入れている。座右の銘は「愛情は平和のもと」
