中嶋千尋プロの紆余曲折・波瀾万丈なゴルフ人生とは…
――中嶋さんのご両親はどのように育てられたのでしょう?
中嶋:成績は悪く、勉強もスポーツもできず、身体も弱い。取り柄がほとんどない子どもだったのに、両親は「とにかく元気で育ってくれればいい!」と。子供が生まれた時に感じる「初心」を一生持ち続けてくれた。大人になればなるほど、それがどれほどすごいことだったかを感じます。
――「いてくれるだけで幸せだよ」という、無償の愛だったんですね。
中嶋:私はこの世で一番尊敬しているのが両親です。言葉にしなくても、「あなたがここに存在しているだけで、お父さんもお母さんも幸せだよ」という気持ちが滲み出ていました。“愛をいっぱい感じる”と、子どもは安心してのびのびとストレスなく成長するんだと身をもって感じてきました。
――ご両親の愛に気づいたのは、いつ頃ですか?
中嶋:幼い頃から感じていました。例えば、テストで0点を取った場合、普通なら怒られるところですが、「お~っ!0点か~!千尋は大器晩成だからな!お母さん!乾杯だ!」と父は私の0点のテストを見て大笑いし、母とビールで乾杯するんです。本当に漫画“天才バカボン”一家みたいでした。
――ユニークなご両親ですね。特にお母様は早稲田大学に合格し、東京外語大学に通うなど、非常に優秀な方だったそうですね。
中嶋:母は勉強が好きで、早稲田に合格したものの学費が高くて辞め、その後東京外語大学に通ったそうです。でも私たちにそのことを話すこともなく、「勉強をしなさい」とか言ったこともありませんでした。控えめで慈悲深く、愛情深い人でした。ただ運動音痴で方向音痴(笑)。
