――観客の歓声や拍手、そういったリアクションを耳や肌で感じ取るということですか?
邪道:そうです。それで観客と会話できない選手はダメです。しかし、観客に踊らされてしまってもいけない。
――観客に踊らされると、どう違うんですか?
邪道:観客が「行け!」と言って、そこで動いちゃうのは踊らされてるってことですよね。それを逆にコントロールしないといけないんです。
――プロレスってすごい世界ですね。
邪道:お笑いも同じです。ドリフのコントでも「志村、後ろ後ろ!」って言いますよね。もし志村さんが振り返ったら、観客に踊らされてるということなんです。なぜ振り返らないかと言えば、志村さんが観客をコントロールしているからなんです。
――邪道さんも、そうしたことに自然と気づいていたのですか?
邪道:まあ、そうですね。コントロールしているふりをしつつ、実はされている。それがお笑いとプロレスの共通するサイコロジーです。
――だからお笑い芸人の方にはプロレス好きが多くて、プロレスラーにもお笑い好きが多いんですね。
邪道:ええ、たしかにそうかもしれないですね。
<#3へ続く>
1968年9月28日生まれ、東京都出身。新日本プロレス所属プロレスラー。1989年3月にオランダでデビュー後、FMW、ユニバーサル・プロレスリング、W★INGなどを経て、2001年から新日本プロレスに参戦。外道選手とのタッグ「邪道&外道」として国内外で数々のタイトルを獲得し、IWGPジュニアタッグ王座、IWGPジュニアヘビー級王座など主要なジュニアタイトルを戴冠。ヒールユニット「C.T.U」「G・B・H」、「CHAOS」を渡り歩き、現在は「新日本プロレス本隊」の一員として活躍中。37年以上のキャリアを持ち、独自のプロレス観とトレーニング理論を持つベテランレスラー。近年はオンラインでのトレーニング指導にも力を入れている。
<インフォメーション>
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