――もともと、ストロングスタイルだった邪道さんが冬木さんと一緒にプロレスをやることに、迷いはありませんでしたか?
邪道:全然なかったですね。「これはこういうもんだ」と自然に理解できたので、まったく抵抗はなかったです。
――むしろ、新しい先駆者的な意識があった?
邪道:いや、そこまでは考えないですけど…今思えば、あの頃がプロレスの“変換期”だったのかもしれませんね。
――時代と共にプロレスを見つめてきた邪道さんですが、当時のプロレス界にはどのような空気があったのでしょうか?
邪道:いろんなものが変わり始める“予感”はありました。何かが変わっていくなって。でも一方で、変わらせたくない人たちもたくさんいた。昔ながらの伝統的なプロレスが好きな人たちですよね。
とはいえ、時代とともに変わらなきゃいけない部分もある。
その「変えるべきか」「変えないべきか」っていう葛藤を、当時の選手たちはそれぞれ抱えていたと思います。
――そういった“せめぎ合い”があったと。
邪道:そう。「これだけは譲れない」っていう人もいっぱいいたし、「そんな頭の固いこと言うなよ」って人もいっぱいいた。
何でもそうですよね。お笑いの世界でも、音楽でも。