ーー引退試合の対戦を振り返って、「試合の意味」をどう捉えていますか?
ライガー:佐野さんとのジュニアの試合では、いろいろな先輩から、「いつか死ぬぞ!」と言われていました。今、ヒロム選手らの試合を見て、僕が「いつか死ぬぞ」と思っています。
そういう意味では「新旧のジュニア対決」「これからの新日を占う試合」だったんじゃないかと捉えています。
新日の未来は明るい。これ以上、明るいものはないですね。これからはプロレスファンに戻り、「すげぇ!」と叫んでいたいと思います。
それから、天国にいる橋本真也選手に『俺のレスラー生活、終わったよ』と言いたいですね。
橋本真也さんのお子さん、橋本大地さんとの記念撮影に臨む
ーーライガー選手は、「ジュニアのカリスマ」と言われていたと思います。いろいろな方々と戦ってきて、改めて「ジュニアヘビー級に対する想い」を聞かせてください。
ライガー:新日本には、「ジュニアヘビー級」と「ヘビー級」があります。お互いが「絶対に負けない」と言う気持ちでリングで戦っている限り、ずっと伸びていくと思っています。
僕はヘビーに負けない。橋本(真也)選手は、ジュニアになんかは負けない。そのぶつかり合いがあの試合ですし、今の新日本プロレスです。
ですので、本当に何の心配もない。僕はプロレスファンとして見た時に、新日本プロレスは素直に面白いなと思います。これから、みんな怪我だけを気をつけて、みんなすごい試合を提供してくれればいい。
ーー31年間の選手生活を振り返って、印象的な試合を教えてください。
ライガー:グレート・ムタ、橋本真也、鈴木みのる、この3選手との試合は忘れません。本当にいい思い出ばかり。「皆さん本当にありがとうございました」と、頭を下げたいです。
ーー「素顔の時代」を含めると35年間。これまで大きな怪我がなく、理想の引退ではないでしょうか?
ライガー:藤原(喜明)さんにも「健康で歩けるうちに引退できて、お前は幸せだ」と言われました。これだけ頑丈に生んでくれた母親に感謝です。
ーー 「引退セレモニー」はどのように行いますか?
ライガー:「感謝の意」をリングの上で述べたい。事務所のみんなは「ライガーを泣かそう」と、色々企ててみるみたいですが、「これ、本当に引退式か?」というような感じで、ゲラゲラと笑って終わりたいです。
ライガーとしてマントをつけて、リングの上であいさつできればと思っています。でも、もうプロのレスラーではないから、「マスクだけでいいのではないか?」などと、色々と葛藤はあります。それは楽しみにしていてください。ありがとうございました。
ーー そして最後にROPPONGI 3KのSHO選手がライガー選手のことを語ったコメントを紹介します。
SHO:地方でプロモーションに行かせて貰った時、ポスターにライガーさんの顔があるだけで、安心してチケットが売れてくれるんじゃないかと思っていました。
でも、これからポスターにライガーさんの顔が載ることが無くなってしまう。だからこそ、お客さんが来てくれるかって心配になりますが、それぐらいライガーさんの存在は大きかったです。
本当は最後にシングルマッチしたかったけど…。僕は色々なものと、これからも闘っていきます。
取材・文・写真(記者会見)/大楽聡詞
編集・写真(試合)/白鳥純一