8月31日後楽園、運命の戦いを前にリング上で静かに棚橋弘至を待つ男色ディーノ
DDTプロレスリングのアイコン、男色ディーノが11月30日後楽園で復帰戦を行う。そのディーノのプロレス人生における一つの大きな区切りとなったのが、8月31日に実現した新日本プロレスのエース・棚橋弘至とのシングルマッチ。学生時代から抱き続けた思いをリングでぶつけ合った激闘から約3ヶ月。ディーノは今、何を考え、どこへ向かおうとしているのか。その胸の内を赤裸々に語ってくれた。(取材・文/大楽聡詞 文中敬称略)
学生時代からの夢・棚橋戦を乗り越えた今の心境
――ご自身のプロレス人生の集大成とも言える棚橋弘至戦を終えて、約3ヶ月が経ちました。あの直後は様々な感情や関係性があったと思いますが、今のお気持ちはいかがですか?
ディーノ:そうですね。その間に手術(急性虫垂炎)や手術後に発症した腹腔内膿瘍のための欠場などもあったので、それを差し引いたとしても、自分が思っていたよりも“燃え尽きていないこと”に喜びを感じています。
男色ディーノが棚橋弘至戦に懸ける思い「視界に入るために30年をぶつける!」
――試合直後のバックステージでは、学生時代から棚橋選手への思いが昇華されたように見えました。
ディーノ:昇華はしました…しました。ただ、学生時代から「戦いたい」とずっと抱いてきた思いが結実された後も、「自分はプロレスラーとして歩んでいいんだ」と。「もう全部やりきったから、今後のプロレス人生はどうでもいいや…」という気持ちには一切ならなかった。
プロレスは戦い続けるものだからこそ、棚橋さんとの戦いが“過去の大きな出来事の一つ”になっている感じがしています。もちろん、棚橋戦の印象やイメージ、シーンなどは鮮烈に焼きついています。ただ、過ぎ去ってしまえば、「本当に自分の中の大きな一戦だった」と結構、早い時期に感じましたね。
――「燃え尽きた感じはなかった」と。
ディーノ:ホッとした感じというか、今まで張り詰めていたものが緩んだ数日間はあったのですが、それ以外のストレスはなかったですね。
