
「タイガーマスクよりダイナマイト・キッドが好きだった」。そう語るのは、37年のキャリアを誇る新日本プロレス所属“邪道”。幼少期にテレビのプロレス中継に釘付けになり、ダイナマイト・キッドの魅力を語っていた少年時代。テレビにかじりつき、プロレスラーを夢見るようになった。偶然耳にした「たけしプロレス軍団(TPG)」の練習生募集。師アポロ菅原のもと、スクワット1000回が「基礎の基礎」という過酷な世界で、邪道の原点が作られていく。(取材/大楽聡詞 文/ミライカ)
目次
タイガーマスクよりダイナマイト・キッドに魅了された
――1968年9月28日生まれの邪道さんがプロレスに興味を持ったのは、いつですか?
邪道:新日本プロレスの藤波辰爾さんがジュニアヘビー級でダイナマイト・キッドとやっていた頃ですね。9歳か10歳頃だったと思います。
当時は今と違ってテレビくらいしか娯楽がなく、金曜夜8時のテレビ朝日で放送されていたプロレスに完全に魅了されました。
井上亘さんが歩むセカンドキャリア(前編)「最初の入門テストは棚橋弘至社長と一緒に受けて共に不合格でした」
――特に印象に残っている選手はいましたか?
邪道:ダイナマイト・キッドですね。タイガーマスクより断然好きでした。まず身体がすごくて、何より格好良かった。
みんなが「タイガーマスク、すげえ!」と沸く中で、俺だけは「ダイナマイト・キッドがいたからこそ、タイガーもあの試合ができたんだ」などと、“通”ぶって言っていましたね(笑)。