「カヌーは生涯スポーツ」――それが、大城良介さんと妻・智子さんの合言葉
◼️カヌーは一つ。垣根を越えた「線」の繋がりと未来
――すべての競技を経験してきた大城さんだからこそ、種目間の「壁」を取り払いたいという想いも強いのでは?
大城:昔は種目間で距離を感じる時代もありました。でも、同じカヌー界という狭い世界で背を向け合っていても意味がない。「する人、観る人、支える人」の全員でカヌーを盛り上げていきたい。
先日、九州での普及活動でも大きな手応えを感じました。大分のスプリントの聖地でカヌーポロを披露した時、スプリント一本だった中高生や保護者、オリンピアンの指導者までが「これは楽しい!」と目を輝かせてくれたのです。
スプリントで限界を感じてやめてしまう子がいても、「ポロならまだ輝ける、社会人でも代表を目指せる生涯スポーツとして楽しむ」という選択肢を提示したい。今、各地の自治体も巻き込んで、新しい大会や拠点が生まれようとしています。
――今後のカヌーポロの展望を教えてください。
大城:特に今、日本カヌー連盟でカヌーポロの責任者を務めているので、全国に拠点を広げたいですね。まずは九州で新しい大会を立ち上げるところから始めています。カヌーポロはコートがコンパクトで、観客が肉眼ですべてを追えるため、実況や解説があれば初心者でもすぐに熱中できる可能性を秘めています。
プレイヤー目線だけじゃなく、「観客がどこを応援すればいいのか」「ルールをどう噛み砕いて伝えるか」などの工夫を凝らし、もっと身近なメジャーニュースポーツにしていきたいです。
――大城さんにとってカヌーとは?
大城:自分を成長させてくれる場所であり、人生を豊かにしてくれる最高の遊び場ですね。苦しい練習も、自ら考えて取り組めば楽しさに変わる。そんな「自ら動く力」を、これからもカヌーを通じて伝えていきたいです。
(了)
プロフィール
大城良介(おおしろ・りょうすけ) 1979年生まれ、愛知県出身。県立東郷高校、愛知大学卒業。カヌースプリントで国体2度優勝、世界ジュニア選手権出場などトップ選手として活躍後、大学からカヌーポロへ転向し日本代表を経験。2012年にはワイルドウォーターで国体出場を果たすなど、カヌー3競技を極める。カヌー歴34年。現在は公益社団法人日本カヌー連盟カヌーポロ競技運営委員会副委員長、愛知県カヌー協会理事長を務め、競技普及と地元・みよし市での次世代への「人間教育」に尽力している。
