1.3後楽園、約2年間在籍したユニットを脱退した正田壮史
2026年1月3日、後楽園ホール。新春の熱気に包まれた聖地で、正田壮史が大きな転換点を迎えていた。2022年の衝撃デビューから、わずか1年足らずで『D GENERATIONS CUP』を制覇。KO-Dタッグ王座も獲得するなど、瞬く間にトップ戦線へ駆け上がった。しかし、華々しい実績とは裏腹に、正田の心には常に理想と現実のギャップが渦巻いていた。2025年末のKO-D無差別級王座挑戦、そして長年身を置いたユニット「SCHADENFREUDE International(シャーデンフロイデ・インターナショナル)」からの脱退。自ら退路を断った若き才能は今、何を想うのか。(取材・文/大楽聡詞 文中敬称略)
「DDTの未来」という言葉は、自分への逃げ道だった
――12月21日のKO-D無差別級選手権についてお伺いします。11月30日、じゃんけんで正田選手が次期挑戦者に。約1ヶ月間、どのような精神状態でしたか?
正田:いや、もう……本当に苦しかったです。僕の性格上、ああいう大きなチャンスが決まる時って、大抵周りから色々と言われてしまうんですよ。
上野勇希が前哨戦で正田壮史に完勝!愛あるゲキで王者の覚悟問う
――たしかにKO-D無差別級王者の上野勇希選手から「正田はすごい。でも今つまんない」と。
正田:ぐうの音も出ないくらいに正論を突きつけられて、完全に落ち込みました。
――昨年は精神的に追い込まれる戦いが多かった印象があります。
正田:挑戦するたび、何かアクションを起こすたびに、そういう重い期間を過ごしてきました。でも、上野さんのKO-D無差別級王座挑戦までの1ヶ月間を振り返って、「なぜ自分はいつもこうなるのか」という答えをようやく見つけることができたんです。
――その「答え」とは?
正田:僕はこれまでずっと「DDTの未来であることを証明する」という言葉を掲げてきました。でも、結局はその言葉自体に自分自身が逃げていたんです。
そこを上野さんや周りの人たちに見透かされていた。「お前はまだそこにいるのか」「情熱が伝わってこない」と言われていた理由はそこにあったんだと。
――理想の姿を掲げることが、逆に足枷になっていたのですね。
正田:それに気づいてからは、「自分自身に正直に生きるべきだ」と思えるようになりました。そこからは少し気が楽になった……と言うと語弊があるかもしれませんが、自分が本当に向き合わなければいけないことに集中できるようになりましたね。
