DDTプロレスが12月3日、東京・新宿FACEで「GO UPDATE 2025」を開催した。KO-D無差別級王者の上野勇希が21日の後楽園ホール大会で挑戦を受ける正田壮史に前哨戦で完勝も、チャレンジャーに愛あるゲキを飛ばした。

KO-D無差別級&DDT UNIVERSAL両王者の上野は11・30後楽園でスーパー・ササダンゴ・マシンを退け2冠王座の防衛に成功。KO-D無差別級の次期挑戦者は上野の希望により、「D GENERATIONS」世代によるじゃんけんトーナメントを制した正田に決まった。
王座戦が決まってから3日が経ち、今大会の開始前に公開調印式が行われた。正田は「運と実力をもって勝ち取った挑戦権。その後、上野さんに言われた言葉をここ数日で考えてみて。僕はDDTの未来とか、次自分がいくんやっていう、その未来って言葉に逃げて来たんじゃないかって。だからこそ、DDTのトップに上がって来いって意味でとらえました。DDTの未来を明るくする目標はあるんですけど、まず僕が向き合うべきは、今あるKO-D無差別級への挑戦じゃないかって思いました」とコメント。

上野は「僕は正田にはものすごく期待してるっていうか、おもろいと思ってて。でも正田はプロレスを楽しんでないと思っていて、同じところをずっと繰り返してると思ってます。鈴木みのるの持つUNIVERSALに挑戦したとき、殺すぞってものすごい言葉を使って覚悟をぶつけて。結果的にはコテンパンにやられて。結果なんてどうでもいいんですけど。
強い言葉を使ってぶつけた覚悟も、掲げた未来も、その試合で感じたであろう怒り、悲しみ、恐怖感とか、タイトルマッチが終わったら全部捨てる。正田が過去も未来も現在も全部覚悟を捨てたこと悲しかった。なんのためにプロレスやってるんだって。DDTでしんどい思いも悩むこともあって、それをリングに立って何をやってるんだって。DDTの一番のベルトかけて戦うんだから、チャンピオンになるかもしれない。
正田はすごいよ。めちゃくちゃ期待してるけど、ちょっとあきらめてるよ。でも正田となら、俺らにしかできないDDTプロレス、僕らにしかさらせないものができるんじゃないかと思ってるのは先輩・上野勇希の言葉でありまして。チャンピオン上野勇希としては、正田をボコボコに叩きのめします」と語った。

この日のメインイベントで、上野はTo-yとのコンビで正田&ヤス・ウラノと対戦。To-yがウラノにマシンガンチョップを叩き込めば、ウラノはTo-yの背中をかきむしる。
正田は気迫をみなぎらせて、上野とエルボーのラリー、ラリアット相打ち。ミドルキック連打、張り手もぶちかます。上野が投げ捨てジャーマンを見舞えば、正田も同じ技で返す。正田が上野にジャーマン・スープレックス・ホールドもカウント2。上野は正田にフロッグスプラッシュ、スタンド式シャイニング・ウィザードも2カウントで返した。
上野は飛びついてブラックアウトスリーパーで絞め上げると、正田が気を失ってレフェリーストップ。試合後、意識を取り戻した正田は猛然と上野に突っかかっていくも、パートナー、セコンド陣が制止した。

上野は「素晴らしい心意気じゃないか。俺が無差別級を獲る前、タケ(KONOSUKE TAKESHITA)が米国に行く頃、DDTを背負うと言い出した。そのとき、正田はすごいと思うくらい、一生懸命やることしかできなかった。
ベルトを腰に巻いて、タイトルマッチやるだけがチャンピオンじゃない。会社もお客さんも対戦相手も全部背負って立つのがチャンピオンだと思ってるので。他の誰でもない、正田壮史のプロレスをもって俺に挑んできてくれ。俺は受け止めるけど、弾き返すかもしれないけど。
正田が全力で来てくれたら、俺もいけるから。俺たちなら絶対見せられるから。でも、それは正田次第だから、愛と責任を持って頑張りましょう」と投げ掛けた。
正田は「さらけ出しちゃった。さっき何が起きたか分かんないけど、すごい短い夢見て、そのKO-D無差別級のベルト巻いてたんです。僕は愛と責任と、そして応援してくれるみんなが幸せになって帰ってくれるように、全力でそのベルト目指して戦うから!」と返した。
記事/まるスポ編集部
写真提供/DDTプロレスリング
