【DDTプロレス 樋口和貞(前編)】力士時代の悔しさを思い出した

――秋山選手と初めて戦ったのが、昨年のD王GP。あの時は勝利しています。その秋山選手とは別人でしたか?

樋口:別人でしたね。2度目の対戦となった3月は序盤から腕を集中的に攻められました。初戦と違い、(秋山準が)対策を練ってきたと感じました。

自分としては初戦のイメージで戦っていましたが、場外で鉄柱に右手をぶつけられた時、「(秋山準が)戦い方を変えてきた」と感じました。攻める際の引き出しが多く、多角的に攻めてくる印象を受けました。

――D王GPのリーグ戦やKING OF DDTトーナメントと、KO-D無差別級王座の戦い方を変えているように思いました。

樋口:いろいろな対戦相手といろいろな大舞台で戦ってきた「秋山準の奥深さ」を感じた戦いでもありました。

――試合に敗れたあと、樋口さんが秋山選手の腰にベルトを巻く場面がありました。レスラーとして屈辱的な場面でしたね。

樋口:試合前、秋山準は自分に対してSNSで「負けたら『はい』と言えよ」と発信していました。ただ敗れた後、あの場面で言わせるのかと…本当に性格の悪い人ですね(苦笑)。

――それに対して観客席から「樋口、巻くな!」の声も上がりました。

樋口:今思えば声を出すのは良くないのですが(苦笑)…でも自分自身、あの声に救われた部分もあります。

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