
6月10日、新宿FACEでプロレスラー大鷲透の自主興行「ルチャンコ・パーティー」が開催された。大鷲はこの大会をもってプロレスラー専業に一区切り。実家のちゃんこ屋を支えながらの兼業生活がスタートする。DDTでは参戦20周年、9月2日にはデビュー25周年を迎える。2026に「ルチャンコ・メモリアル」の開催が発表された。兼業レスラーとして “生涯現役” を宣言する大鷲。今までを振り返ってもらうとともに、今後の展望について話を聞いた。(取材・文/藤本桃子)
「ありがとう大鷲透」シリーズでは大鷲の “引退” がほのめかされたが…?

ーーDDTでは「ありがとう大鷲透~大鷲透DDT参戦20周年記念シリーズ」が全5回行われました。振り返ってみていかがでしたか。
大鷲:びっくりするぐらい、何の印象も残ってないです(笑)。もはや何をやったか思い出せない。それぐらいDDTの試合って、常に新しいことを更新しているんです。
我々は闘いの中に、「いかに毎回、お客さんを我々の世界観に引き込むか」をテーマに試合をしている。だから何周年記念大会といえども、やってることはいつもと一緒です。
そういう1個1個の積み重ねが、次に繋がっていく。私はまだ前しか見てないんです。今もどんどん積み重ねている途中なので、これからもご期待ください!
ーーシリーズ最後は平田一喜選手との対戦でした。平田選手は「大鷲さんとの最後のシングルマッチ」と意気込んでいましたね。
大鷲:あいつが勝手に「引退」って言うから、お客さんも私が引退するって勘違いしちゃって。最初に言っておきますけど、引退はしません。
ただ、私は今までプロレスとグッズのことだけを考えて生きてきたんですが、この度、長野に移住して、実家のちゃんこ屋を支える兼業レスラーになります。今までの生活にちゃんこが加わって、ちょっと忙しくなると思うけど、プロレス活動はやめないし、 “生涯現役” を宣言してる。
平田が「引退」って言うから、DDTだけでなくドラゴンゲートでも、お客さんに「もう辞めるんですよね」って言われるんで、あいつにはすごい迷惑してるんです…。
ーーそんな平田選手は、シングルマッチで大鷲選手に初勝利を飾りました。
大鷲:言うなれば、平田は私を超えたんですね。どんな勝ち方でも、勝ちは勝ち。私は平田の成長を嬉しく思います。