

――昨年12.24のレジーナ戦は、7月後楽園の「Catch the WAVE 2023(=キャッチ2023)」準決勝戦でVENY(当時、朱崇花)選手と戦ってから、5か月後の再戦。7月と12月で戦った感触に違いはありましたか?
宮崎:ベルトを保持している王者側と、それに挑む挑戦者側という立場で、試合への向き合い方に違いがあります。
7月17日のキャッチ 2023の時は、同日に準決勝と決勝戦が行われました。ですから「勝ったら、もう1試合ある」という心構えは、タイトル戦1試合のそれとは、気持ちの持ちようが違いました。
準決勝の相手を決める事前のくじ引きの時、VENYは軽く勝って次にいきたいと考えていたと思うんですよ。でも、VENYは対戦相手が私に決まって嫌だったと思います。
準決勝のVENY戦は激闘でした。VENYのキックや蹴り技を受けると、脳が揺れるというか…。脳が揺れたダメージが脚にきて、技を繰り出そうと思ってもできなかった。
だから、12月のカルッツかわさきの時はすごく気を付けました。
でも、試合中に流血して血が目に入り視界が悪くなる中、一生懸命拭い取っても、どんどんぼやけてくるんです。
自分の中で自分を応援しないと、 立っていられない瞬間があって、「頑張れ!私、頑張れ!」と自分を鼓舞するわけですよね。
それと、「この試合はビッグマッチのメインなんだから、しっかりして!」っていう責任感も相まって、自分で自分を叱咤激励するんです。最後には体力的にも精神的にも余裕がなくなっていましたね。
だけど、残る力を振り絞って起き上がろうとしたときに、血まみれで視界がぼやける中、観に来てくれた幼いお子さんが「宮崎、頑張れ!」って応援してくれるのが見えたんです。「こんな小さな子も応援してくれているんだ!勝たなきゃダメだ!」と奮起して必死になりました。
そういう時って、お客さんの声が聞こえるんです。他にも大勢の応援してくれる方も見えて、「絶対、勝たなきゃ」と強い気持ちになりました。