
株式会社名古屋グランパスエイトは、スタートアップ企業であるVRTalk株式会社との共同実証実験の開始を発表した。これは、スタジアムへ来場する観戦客がデジタル技術によって「迷わない」体験を提供することを目的とした取り組みだ。複雑なスタジアム内で自分の席やトイレ、売店などの目的地に誰もが簡単にたどり着けるようサポートするという。
観戦体験の質向上へ向けた新たな挑戦
大規模なスポーツスタジアムは、その構造の複雑さから、特に初めて訪れる観戦客にとっては「迷いやすい」という課題があった。座席やゲート、場内の施設を探すのに時間がかかり、これが観戦体験の満足度を低下させる要因の一つとなっている。グランパスはこの課題を解決するため、AI対話システムを持つVRTalk株式会社と連携。最先端の技術を活用しスタジアム来場者の利便性を飛躍的に高めるようと新たに挑戦するという。
AI対話で迷いを解消する仕組み
今回の実証実験で使用されるのは、VRTalkが提供するAI対話システム。来場者は、スマートフォンなどを利用し、まるで人と会話するようにAIに質問を投げかけることが可能となる。「自分の席はどこ?」「一番近いトイレは?」といった質問に対し、AIが瞬時に正確な情報を提供。これにより、来場者は紙のマップや標識を探し回る必要がなくなりスムーズに目的地へ移動できるようになる。特に試合直前の混雑時や、緊急で施設を探す必要がある場合にその効果を発揮することが期待される。
誰もが快適に過ごせるスタジアムへ
この実証実験の成功は、スタジアム運営におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環。AIを活用した案内システムは、人的資源に頼ることなく大勢の来場者に対して一貫した高品質な情報提供を実現することになる。高齢者や外国籍の来場者など、多様な観戦客に対する利用のしやすさ向上にも直結する。グランパスは、この技術を通じて得られた知見を活かし今後のスタジアムサービス全体の改善に役立てる方針。最終的には、スタジアムを訪れる全ての人にとって、試合観戦がより楽しく、ストレスフリーな体験となるような環境の実現を目指す。この実証実験は、2025年11月より開始される予定だ。
記事/まるスポ編集部