【カヌースプリント 藤嶋大規】子供たちの前でカヌーを漕いで終わりたい(前編)

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オリンピックへの想い

――カヌースプリント競技でオリンピックに出場するのは、かなり困難ですよね。

藤嶋:国内枠がないので相当難しいです。オリンピックに出場するには世界選手権で出場枠を獲得するか、アジア大陸予選で優勝するしかありません。挑戦できたことは嬉しかったけど、2008年の北京オリンピック予選は心の中で「出場は難しいな」と思っていました。

――その後、目標を「2012年のロンドンオリンピック出場」に切り替えたのでしょうか?

藤嶋:そうです。あの頃は19歳でシニア大会に出場し始めたばかり。シニア選手のレベルが高くて、正直雲の上の存在のように感じていました。

その状況でナショナルチームに選ばれたのは、学生で僕を含め2人。もう1人は東京オリンピックのカヌースプリント カヤックフォア(K−4)で一緒に出場した水本圭治。彼は北京オリンピック、ほんのわずかの差で代表入りができなかった。

北京オリンピックの大陸予選に出場できたことは良い経験でしたが、それ以上にナショナルチームの選手と一緒に合宿できたことが自分にとって大きな収穫でしたね。

――雲の上の存在だった方々にタイムで勝たない限りオリンピック出場はないと思いますが、その人たちに「追いついた」と思った瞬間はあるのでしょうか?

藤嶋:追いついたというか、シニアの選手と「戦える」と感じたのは高校3年の国体です。風の影響でタイムが変化するため一概に言えませんが、決勝のタイムはシニアの入賞タイムに食い込むことができた。それが「あっ、もしかしたらシニアでも戦えるラインに来ているのかな?」と感じた瞬間ですね。

ただシニア選手の身体と高校3年生の僕の身体は全然違います。ナショナルチームで一緒に合宿した際、「こういう練習をしないといけないんだ」と痛感しました。

――カヌースプリント競技の世界大会でメダルを獲得する選手の体格は全ての部位が大きいですよね。「どうしたら、こんなキン肉マン消しゴムのような肉体になるのか?」と思います(苦笑)。

藤嶋:本当にそうですよ(笑)。そのくらいの差を高校3年の頃、シニア選手に感じていましたね。

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