日本障がい者乗馬協会の事務局長・河野正寿さん
2026年1月17・18日、東京国際交流館・プラザ平成にて、パラスポーツの普及を目指すイベント「パラスポーツ パーク」が開催されました。このイベントを主催するのは、8つのパラ競技団体が連携したプロジェクト「P.UNITED(ピー・ユナイテッド)」。
会場には「車いすカーリング」「パラフェンシング」「パラカヌー」「パラ射撃」「パラ馬術」「知的障がい卓球」「知的障がい水泳」「パラ・パワーリフティング」の計8競技のブースが並び、多くの家族連れやスポーツファンで賑わいを見せました。中でも「パラ馬術」のブースは、VRで競技を疑似体験できるシステムを導入。地上では味わえない視線の高さや迫力ある揺れに、体験した人たちからは驚きの声が上がっていました。
今回、一般社団法人 日本障がい者乗馬協会の事務局長・河野正寿さんにインタビューを実施。軍隊のリハビリから始まったという競技の歴史や、VRを活用した普及活動、そして「インクルーシブスポーツ」としての馬術が持つ可能性について熱く語っていただきました。(取材・文/大楽聡詞 文中敬称略)
◾️リハビリから競技へ、パラ馬術が歩んできた道のり
――パラ馬術という競技には、どのくらいの歴史があるのでしょうか?
河野:パラリンピックの正式競技としては、1996年のアトランタ大会から採用されています。日本からも、2000年のシドニー大会以降、継続して選手を派遣しており、意外と歴史のあるスポーツなんですよ。
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――どのようなきっかけで始まったのですか?
河野:もともと競技として始まったわけではなく、軍隊で負傷した兵士たちが、馬に乗ることでリハビリテーションを行ったことがルーツだと言われています。
――リハビリとしての側面が強いのですね。
河野:そうですね。私たちの連盟では「パラリンピックへの選手派遣・強化」だけでなく、馬を介して自己実現や癒やし、回復を目指す「セラピー」としての活動も両輪で行っています。
世間的にはむしろセラピーとしての認知度の方が高いかもしれません。パラリンピック競技としては肢体不自由と視覚障害が対象ですが、セラピーの現場では知的障がいのある方も馬と触れ合っています。非常に幅が広いのが、障がい者乗馬の特徴ですね。
