ユニクロとドジャースが描く“世界一”への挑戦 柳井氏が語った未来図
今回の「UNIQLO LifeWear Day at Dodger Stadium」は、単なる冠試合に留まらない。そこには、ユニクロがアメリカ市場で描く新たな戦略と、スポーツを通じた社会貢献という明確なビジョンが込められていた。
囲み取材に応じた株式会社ファーストリテイリングの柳井康治取締役は、ドジャー・スタジアムに「UNIQLO Field」の名が刻まれた意義についてこう語る。
「アメリカではまだまだ我々はそこまで知られていない存在でした。でも今回、UNIQLO Field at Dodger Stadiumという名前がついたことで、多くの方が『ユニクロってどういうブランドなんだろう』と興味を持ってくださっている。確実に認知度が上がってきていると感じています」

世界最大級のスポーツマーケットであるアメリカ。その中心地のひとつであるロサンゼルスで王者ドジャースと手を組むことは、ユニクロにとって大きな意味を持つ。
さらに父の日イベントということもあり、康治の父である同社の柳井正 代表取締役会長兼社長から受けた影響について問われると、その経営哲学の本質を述べた。
「一番影響を受けているのは、常にお客さまのことを思う姿勢ですね。それだけではなく、従業員・株主そしてパートナー工場の方々まで、関わるすべての人のことを考えている。その姿勢は何度も聞いてきましたし、自分の仕事観にも大きく影響しています」
さらにプライベートでの柳井氏については、少し表情を和らげながらこう続けた。
「意外に思われるかもしれませんが、すごく愛情深い人なんです。そういう部分も、自分も見習いたいと思っています」
その“人を思う姿勢”は、今回のイベントにも色濃く反映されていた。来場した4万人が同じLifeWearを身にまとい、同じ空間で野球を楽しむ。その景色は単なるプロモーションにとどまることはなかった。
そして、その先に見据える未来も明確だった。
「パートナーシップを組む時から、『世界一を目指しましょう』という話をしていました。自分たちも世界一になりたいし、すでに世界一を知っているドジャースと一緒に歩んでいきたい。目指すのは世界ナンバーワンです」

競争だけではない。その先には社会貢献というもう一つの軸がある。
8月以降、「UNIQLO Field at Dodger Stadium」を拠点に、子どもたちを対象としたユース野球プログラムや国際交流プロジェクトが始動する予定。
日本から少年野球の選手をアメリカに招き、本場の野球と文化を体験してもらう企画も進んでいるという。
国枝氏がマウンドで見せた情熱と、4万人のファンが共有した一体感。それはユニクロとドジャースが描く未来への、確かな第一歩だった。スポーツを通じて人と地域、そして世界をつなぐ挑戦は、ここからさらに広がっていく。
(了)
