1988年のダンロップレディースオープン初優勝、1989年からアメリカツアーに挑戦した
◼️原因不明の体調不良と、精神的な苦悩
――歯の治療後、体調に異変が起ましたか?
中嶋:あれほど丈夫で、筋肉痛になることもなかった身体なのに、次第に全身がミシミシと硬くなり、朝起き上がれないほどになりました。お風呂に浸かって体を温め、ストレッチやジョギングをして、ようやく動ける生活が続きました。
――まだ20代の頃ですよね。
中嶋:病院に行っても原因不明。医師には「多くのゴルファーが抱える問題」だと言われました。でも、自分の体を知っている私自身は納得できませんでした。歯が原因とは当時は全く分かりませんでした。なんでもできたトレーニングもできることがどんどん減って、簡単にできていた動きでさえ、足が攣るようになりました。
ジョギングとストレッチだけは体が緩んで楽になるのでやっていました。問題は元々の可動域が広いので、そこまで緩まないと苦しい、でもそこまで緩ませるとコントロールが利かない、でも筋トレはできない、じっとしてるとすぐ固まる、ということでコンディションが一日のうちで変化し過ぎて対処しきれませんでした。
――プロとして、その状況はとても辛かったのではないでしょうか?
中嶋:「なんで自分の体を思うようにコントロール出来ないの」 「なぜこんな簡単なこともできないのだろう?」「こんなに下手なの?」と自分を責めることが多かったです。
