キャリア4年目を迎え、清廉潔白な優等生イメージを払拭。ふてぶてしささえ感じさせる大物感を身につけた安齊勇馬
2024年、史上最年少で三冠ヘビー級王座を戴冠し、プロレス界の景色を一変させた安齊勇馬。かつての「清廉潔白な優等生」というイメージは今、不敵な自信を漂わせる「ふてぶてしさ」へと進化を遂げている。宮原健斗との激闘を経て、彼は何を掴んだのか。そして欠場中のパートナー・青柳優馬への逆風を承知で口にする、“真の覚悟”とは。2026年、全日本プロレスを世間に届けるべく、リングの内外で躍動する若きエースの本音に迫る。(取材・文/大楽聡詞)
■三冠王者として、挑戦者として。宮原健斗の「巨大さ」
――昨年12月31日、三冠王者・宮原健斗に挑みました。2024年5月は安齊選手が三冠王者として宮原選手の挑戦を受け、勝利しています。年末とは立場が逆でしたね。
安齊:僕自身の気持ちとしては、実はあまり変わっていなかったんです。三冠ベルトを持っていた時も、王者として“受けて立つ”というより、歴代のチャンピオンたちに“立ち向かう気持ち”でしたから。常にチャレンジャーの精神だったので、そこに大きな違いはありませんでした。

――三冠王者時代、守りに入るのではなく、常に攻めの姿勢だったと。
安齊:全日本を代表する名だたる先輩たちが挑戦して来るわけですから。防衛戦でしたけど“守る”なんて頭の中になかったですね。ただ、対峙した宮原健斗というレスラーの“顔”は、24年5月と直近の12月では全く違いましたね。
【安齊勇馬】2年目はタッグでもシングルでもチャンスがあればベルトを巻きたい(23年9月 インタビュー)
――どのように違ったのでしょうか。
安齊:24年5月の宮原さんは、僕を「絶対にぶっ潰してやる」という気迫に満ちた鋭い顔をしていました。でも、25年12月の大晦日は、王者としてどっしりと構え、挑戦者の僕を待っているような……なんて表現すればいいのか。とにかく“デカい”んです。王者として「どんな技でも仕掛けてこい」という余裕なのか。改めて「この人は本当にすごいな」と痛感させられました。
――それが全日本のエースたる所以(ゆえん)なのかもしれませんね。
安齊:強さだけがエースの条件ではないと思うんです。試合はもちろん、試合後のマイクパフォーマンスを含め、シリーズを通して「三冠王者・宮原健斗」を全身で味わった気がします。
