【DDTプロレス 樋口和貞】秋山準との戦いはレスラーとして必要な試練だった(前編)

1.29後楽園で戦う火野選手(左)と睨み合う樋口選手

昨年7月「KING OF DDT 2022」で優勝、KO-D無差別級王座を戴冠し状況が一変した樋口和貞。その後、KING OF DDT決勝戦で戦った吉村直巳と「ハリマオ」を結成。KO-Dタッグ王座を奪取し2冠王者になった。今回KO-D無差別級王座戴冠後の約7ヶ月間を振り返るとともに1.29後楽園で行われるKO-D無差別級王座戦について聞いた。

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これまでの人生でもっとも濃い7ヶ月

――前回は昨年6月サイバーファイトフェス直前の取材。タッグを組むバーニングの秋山選手に対して(当時、樋口選手はEruption所属)「苦手意識」を口にしていました。ただ樋口選手は昨年「KING OF DDT 2022」で優勝しKO-D無差別級王者になって状況が一変しましたね。

樋口:2022年7月「KING OF DDT」で優勝した頃から本当に目まぐるしいですね(笑)。自分の人生の中で、かなり濃い時間を過ごしました。王者になってからの試合や風景は全部覚えています。ただあっという間でした。

――「トーナメントやリーグ戦が苦手だ」と話していた樋口選手が2022年7月「KING OF DDT 2022」で優勝しました。この大会から振り返っていただけますか?

樋口:1回戦が最近力をつけている納谷幸男、かなり手強かった。2回戦は高梨将弘さん、力では自分に分がありますが一瞬の隙をつく能力に優れている選手。それを乗り越えた上で因縁の秋山準との戦い。でもここを勝たないと「レスラーとして上に上がるチャンスはない」と考えました。

――2021年3月、当時KO-D無差別級王者だった秋山選手に敗れました。試合後、樋口選手は秋山選手の腰にベルトを巻きました。負けた相手の腰にベルトを巻くことは敗者にとって屈辱的な行為です。樋口選手は「あれから自分の中の時計が止まっている」と話してくれました。トーナメント準決勝で秋山選手と対戦した時、その思いを抱えたまま戦いましたか?

樋口:多分「抱えた自分がいた」と思います。でもその気持ちに支配されていたら秋山さんに負けていた。リングの対角線上に立つ秋山さんに飲まれず「自分自身を鼓舞できた」から勝負に勝てたと思います。

2021.3.28 秋山準選手に敗れベルトを巻く樋口選手

――樋口選手は1回戦の試合後、「俺が必ずトーナメントで上に上って強さの象徴になって(欠場中の)遠藤を待ちたいと思います」と発言しました。なかなか思いを口にすることが少ない樋口選手が遠藤選手への思いを形にしたことで自分を追い込んだ気がしました。だから苦手意識を持った秋山選手に負けなかったのではないでしょうか?

樋口:(少し考えて)今思えば「秋山さんを苦手としていた自分はいなかった」かも知れない。純粋に準決勝まで勝ち上がってきた秋山さんとぶつかり倒すことしか頭になかったです。

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