【カヌースプリント 藤嶋大規】子供たちの前でカヌーを漕いで終わりたい(後編)

目次

2022年3月Twitter上で引退宣言

――東京オリンピックから約7ヶ月経過しTwitterで引退を表明しました。「東京オリンピックの悔しさをフランスで!」という気持ちはありましたか?

藤嶋:次のオリンピックのことは全く頭になかった。出場が決まった時、「東京オリンピック、子供たちの前でカヌーを漕いで引退」と考えました。でも無観客で選手としての姿を子供たちに見せることができなかった。

でも自分としては「やりきった感」が出てしまい、東京オリンピックのあと2ヶ月間カヌーに乗らなかったんです。

10月に所属先の自衛隊体育学校に行き、みんなと練習したら「このまま引退するのは違う。やっぱり子供たちの前でカヌーを漕いで終わりたい」と思いました。

2022年3月に香川でカヌースプリント海外派遣選手選考会が行われるので、そこまで練習をしっかりして、「結果は何着でも良いので子供たちの前でカヌーを漕いで終わろう」という気持ちになりましたね。

――引退を表明してから気持ちはスッキリしましたか?

藤嶋:「レース楽しそうだな」という気持ちにはなりますが、実際大会に向けての練習はできないですね。

――少し時間が経って復帰するアスリートの方もいます。

藤嶋:復帰は相当な覚悟が必要です。時々カヌーに乗ったり選手とジムに行きますが、3日も続かない。その日で疲れ切って「次の日もやろう」と思わないですね(苦笑)。

確実に自分のピーク時の肉体から力が落ちています。復帰を考えた場合、肉体をピーク時に戻すのに相当時間が必要になります。さらにそこからタイムを縮めることを考えたら気が遠くなりますね(苦笑)。

1 2 3

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Share me!
  • URLをコピーしました!
目次