【レーシングドライバー 伊藤慎之典 後編】地元いわきでモータースポーツを拡めたい

■自信に繋がったレース。そして上位カテゴリーへの挑戦

――高校2年生の6月コースレコードを出した時、タイムトライアルは1位。予選ヒートはいかがでしたか?

伊藤:スターティンググリッドのトップからのスタートで緊張しました。どのような走りをしていいのか分からないまま、数台に抜かれた後、コースアウト。結果ビリでした(苦笑)。

――でも表彰台に上がったのですよね?

伊藤:決勝ヒートが全部で15台前後。自分の中で「一台ずつ確実に抜いていくしかない」と考えました。とにかく目の前の一台を抜いて行ったら、結果3位入賞。この時の結果が自信に繋がりましたね。

――高校2年の1年間がドライバーとして成長するのに大切な時期だったんですね。次の高校3年の1年間はどんな年でしたか?

伊藤:少し話が遡りますが、高校2年の6月に3位入賞してから数ヶ月後、上位カテゴリーにスイッチしました。それまではエンジンが100ccの「入門グレード」に乗っていました。それが125ccに上がり、パワーも7馬力から約30馬力まで一気にパワーアップ。半年間、みっちり練習し国内最高峰のレーシングカートレース「全日本カート選手権」に出場しました。

ただ僕の場合、高校生から始めたこともありレーシングカートの世界では年齢的に遅い方なのです。

――普通のドライバーの方は何歳くらいから始めるのですか?

伊藤:F1レースや国内最高峰のレースで活躍している選手は3,4歳。物心つく前からハンドルを握っています。僕が高校3年の時、やっと全日本カート選手権に出場しました。でも彼らはカートを卒業し4輪レースの世界に飛び込んでいます。

――どの世界も早くから取り組んだ方が有利ですよね。ところでモータスポーツを始めて3年目、念願の全日本カート選手権に出場していかがでしたか?

伊藤:この大会はYouTubeでレース映像が残ります。カートレースを始めたばかりの頃、その映像を見て練習していました。見ていたレースにやっと出場できるようになった。でも結果は厳しかったですね。

全日本カート選手権は年間10戦前後行われます。1度だけ6位入賞がありましたが、高校3年の1年間は納得のいく走りができませんでした。

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