
――それは苦い思い出ですね。
伊藤:はい、苦い思い出です(笑)。そのもてぎカートレースがシーズン最終戦でした。シーズンオフに入り翌年の開幕まで「自分」と向き合いました。
高校1年の時、レースは参加したりしなかったりしていました。それではレース勘が掴めない。年末の最終戦終わりで「来シーズンは継続的にレースに出場する」と決めました。
それ以外にも「レースの時、何がいけなかったのか?」を考え、問題点を一つずつ書き出しました。そしてシーズンオフ、最終戦のコースに何度か練習に行き、問題をクリアするように取り組みました。
――レース環境に振り回されないようにする3ヶ月ということでしょうか。
伊藤:はい、あくまでメインは「レーシングドライバーとしての自分のタイムを伸ばすこと」です。とにかく少しずつタイムを詰めていくことを考えました。父も仕事を抱えながら一生懸命メカの勉強をしてくれました。
僕も父も初心者です。とにかく二人三脚でやりました。あの頃はやりたいことは分かるけど、作業が遅くてやれないことが多かったですね(笑)。
<後編に続く>
伊藤 慎之典/イトウ シンノスケ 福島県いわき市出身
いわき秀英高校卒業
千葉工業大学在学中
所属:HRT&チャリ走GO!KART!/KART
:TAKE FIRST(鈴鹿)/ZAP SPEEDレーシングカー履歴
2015年 カートを始める
2016年 各地SLシリーズ参戦
2017〜2019年 全日本FS-125参戦
2018,2019年 ROCKUP(イタリア)参戦
2020年 全日本OKクラス参戦フォーミュラー履歴
2020年 S-FJ日本一決定戦
2021年 鈴鹿シリーズ参戦中
2021年 もてぎ・菅生シリーズ参戦中
取材・文/大楽 聡詞
写真/本人提供