【レーシングドライバー 伊藤 慎之典 前編】サーキット場で聴こえるエンジン音や迫力に魅了され「レーサーになりたい」と…

■レース中の感覚

――レース場で使う車は現地でレンタルですか?それとも毎回運ぶのですか?

伊藤:毎回運びます。大型のワンボックスカーに父と2人で解体した車を載せ、サーキット会場で組み立てます。レース後、軽く掃除をして解体し載せて帰宅。これが毎週でした(笑)。

――それはかなり大変な作業ですね(苦笑)。ところで伊藤さんが参戦していたのは何というレースですか?

伊藤:国内で最も普及しているカートレース「SLカートミーティング」です。マリオカートをイメージして頂ければと思います。

――カートレースはアイルトン・セナやミハエル・シューマッハが幼い頃経験していますよね。どのくらいのスピードが出るのですか?

伊藤:コースの直線距離の長さにもよりますが約135キロでます。体感スピードで200キロ前後だと思います。

――すごいスピードが出るんですね。怖くないですか(苦笑)?

伊藤:カートに乗り始めた高校1年の頃は、少しだけ「怖いな」と感じました。ただ半年も乗ると「楽しい」が上回りましたね(笑)。どんなクラスの車でも1回目は慎重になりますが、2回目以降は「楽しい」が「怖い」を超えます。

――レース中、「時間が止まったように感じる」と聞くことがありますが…

伊藤:時間が止まった感じかどうかは分かりませんが、縁石の色が何色か分かります。だから時間が止まっているように感じているのかも知れません。縁石の色が赤と白交互にある場合、「何番目の赤を狙ってコーナーを曲がろう」と考えますね。

――レース中はかなり神経が研ぎ澄まされているんですね。

伊藤:意識したことはありませんが、そうだと思います(笑)。

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