【DDTプロレス 高梨将弘】彼らの純粋な目を見ていると「途中で投げ出す訳にはいかない」(第2回)

「プロレスラーとしてルンピニーで試合ができるチャンスはまたとない!」と思い、タイに行ったらルンピニースタジアムが閉まっていました(苦笑)。一応ボーウィーさんの名誉のために言うと、さくらさんとボーウィーさんの間に行き違いがあり、僕が帰国した後に別の場所で試合はできたそうです。

ルンピニースタジアムの周囲を探索すると「ルンピニー公園」がありました。さくらさんは「この公園で試合をするのよ」と(苦笑)。取り敢えずプロモーション映像を作らないとタイの人に理解してもらえない。

でも路上で日本人男女がプロレスしている姿を見せて「これがプロレスです!」と言うのもメチャクチャな話だと思いながら試合をしました。

ルンピニー公園の管理の方に「公園の池にはバカでかいトカゲがいるから気をつけろ」と言われながら試合をして、その映像をYouTubeにあげました。

その後も、タイの至るところでさくらさんと試合をした動画をYouTubeにあげ続けました。するとそれを見た人たちが集まってきたのです。

中には「子供の頃からプロレスを見ていたけどタイにはプロレスがない。でもレスラーに憧れて身体だけは鍛えていた」という子供もいました。本当に嬉しかったですね。それでプロレスを教え始めました。

最初は公園にタイ人を集め、僕ら日本人が指導していました。彼らの純粋な目を見ていると僕も「途中で投げ出す訳にはいかない」と思い、日本とタイを何度か行き来しました。驚くことにタイに行くたび練習生が増えていったんですよ。

その後、タイにある空手道場を間借りできることになり「我闘雲舞のプロレス道場」として使えるようになりました。そこにドンドン人が集まり我闘雲舞が旗揚げしました。

1 2 3 4 5 6

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Share me!
  • URLをコピーしました!
目次