
G1落選の屈辱、引退危機を乗り越えたタイチ。地元凱旋大会とIWGP王座への覚悟に迫る
――10月19日には、地元・北海道石狩市立花川南中学校での大会があります。母校、しかも中学校での開催とは珍しいですね。
タイチ:これも唯一無二、オンリーワンをやりたくてたどり着いたんだ。
――9月25日には講演会もされていました。ご自分がプロレスラーに憧れていた頃と同じ年齢の中学生を前にどのようなことを感じましたか?
タイチ:正直、俺の時代は不良ばかりだったので「早く終われよ」みたいな生徒が多いかと思ってた。ところが、みんな真面目に話を聞いてくれたんだよ。先生方も驚いていて「今までいろんな方に講演してもらったけど、こんなに生徒たちが集中して、楽しそうにしているのは初めて」と。
やっぱり、俺が卒業生というのが大きかったんだと思うし、自然と感情移入できたんだろうな。
中学時代って一番多感な時期。自分もその頃に「プロレスラーになりたい」と決めたので、今回の講演で少しでも何かを感じ取ってもらえたら嬉しいよな。
――この興行を通して、タイチ選手自身は何を一番伝えたいですか。
タイチ:まずは地域貢献。石狩市は札幌市のすぐ隣にあるので、どうしても発展しにくい街なんだ。だから「石狩市ってこんなに良い街だよ」ということを伝えたい。そして、たくさんの人に来てもらいたい。何より自分が生まれ育った街だからな。今回、この大会は石狩市の協力がなければ実現できなかった。だから、まずは市に貢献したい。
そして、一番は子どもたちだ。小中学生には全員無料で100枚のチケットを配布した。今の子どもたちは、プロレス番組が深夜にしか放送されていないから、プロレスを知らない子が増えているんだよ。実際、講演会で「プロレスを知ってる?」と聞いたら手を挙げた子は1割程度だった。
このままだとプロレスの知名度はどんどん下がってしまう。プロレス界の未来のためにも、そして、俺みたいなどうしようもなかったやつでも夢を叶えて、こうして地元に戻って来られるんだということを見せたい。
――この大会が成功したら、定期的に開催したいという思いはありますか?
タイチ:もちろん。新日本プロレスの北海道シリーズにも普通に組み込まれたら嬉しいし、地元の方たちが今回の大会を見て「また見たい」と声をあげてくれたら最高だ。
――最後に大会に向けてメッセージをお願いします。
タイチ:おかげさまでチケットは完売。嬉しいことにNJPW WORLDでも配信されるし、スタッフも全力で準備してくれている。あとは本番で見せて、成功させるだけ。自分が本当に伝えたいことを地元のみんな、そして子供たちにしっかり届けるよ。
<インフォメーション>
10月19日(日)、北海道・石狩市立花川南中学校の体育館で「くまじろう!ちきゅうをすくえ!presents NEW JAPAN ROAD in ISHIKARI ~タイチ凱旋興行~」が開催。詳しくは新日本プロレス公式サイトをご覧ください。また試合は動画配信サービスNJPW WORLDでお楽しみください。