
G1落選の屈辱、引退危機を乗り越えたタイチ。地元凱旋大会とIWGP王座への覚悟に迫る
G1落選と「若手の壁」としての覚悟
――2025年のG1クライマックスでは、出場者決定戦から勝ち上がりました。会場ではタイチ選手への声援が大きかったですね。
タイチ:ベテランは応援されるんだよ。でもその声援に応えられて、出場権を獲得できて良かった。去年(2024年)はG1に出られなかったことで、プロレス人生で初めて「引退」を考えた。
――“引退”ですか?
タイチ:ヘビー級でやっている以上、最初のメンバーに選ばれていない時点で「こいつは出ても出なくても一緒だ」ってことなんだろうなと。俺が出ることでチケットが伸びるわけでもなく、出なくても変わらない。
だったら“自分で掴み取れ”って扱いなんだろうなって。だって、本当に必要なら最初からメンバーに入ってるはずだろ?他にも外されたレスラーはいたけど、俺は多分、誰よりも一番落ち込んだはずだよ。
――G1の期間中、北海道に帰られたと。
タイチ:帰ったね。2か月ぐらい引きこもった。プロレスも一切観ず、情報も全部遮断して。「もうレスラーとしての価値がなくなったみたいだから、北海道帰ろうと思うわ。引退するよ」って家族にも言った。
――しかし、今年は予選から勝ち上がりG1に出場されました。それだけファンからの声が大きかったのだと思います。
タイチ:嬉しかったね。去年1年の悔しい想いをファンのみんなに見てもらえたんだ。自分の中でも『見せてやる』って気持ちがあったし、実際、公式戦でも自分の戦いをしっかり見せられたと感じてるよ。