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「一面性」にとらわれないプロレスの未来

矢野は「新日本プロレスとDDTの団体間の関係が一区切りついたんじゃないかな」。そして最後まで書いたサインの枚数をササダンゴにアピール。
ササダンゴは「前説からずっと夢みたいな空間が続いていました。このメンバーでこんな興行ができるようになるなんて、本当に想像もつかなかったし、25年経ってこんな人生が待ってるなんて僕は想像できませんでした。色々な夢を叶えてくれた矢野さん、本当にありがとうございました」と、矢野と熱い握手を交わした。
髙木は、「あのとき、我々はまだまだ力及ばずだった。10年、20年経って、もちろん横1列になったとも思っていないし、我々はまだまだ下から追い上げている方が似合うし、新日本プロレスは、どーんと業界の盟主でいてもらわないと困る。でもこれだけの熱量を生んだっていうことは、やっぱり今日間違いない」と、プロレス界の未来を見据える。
一面対抗戦を終えて、ササダンゴと矢野は様々なものを救った。両団体の関係性、YOHの無念、棚橋の心の痛み…。そして、プロレス団体は“横一列”に並んではないが、それは決して優劣ではないと教えてくれたようだった。技術の高さ、団体の規模など、一面で見れば各団体に差はあるだろう。しかし、多面的に見れば、どの団体が優れている、劣っているということはない。「一面対抗戦」でありながら、プロレス界全体を救う多面的な対抗戦であったのではないか。
<インフォメーション>
6月29日(日)東京・後楽園ホールで「KING OF KINGS ~嵐の6月決戦~」が開催。詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。
文/藤本桃子