12.1新宿FACEで「KANREKI CARNIVAL」を開催する山崎五紀(左)立野記代(右)
2025年12月1日、全日本女子プロレスで一時代を築いたJBエンジェルス(立野記代、山崎五紀)が、結成40周年を記念する大会「KANREKI CARNIVAL」を新宿FACEで開催する。過去を遡り日本人初のWWF世界女子タッグ王座獲得という快挙から、再びタッグを組むまでの秘話について、2人に聞いた。(取材/大楽聡詞 文/ミライカ 文中敬称略)
「パパが喜ぶと思うの」恩人の一言で動いた立野記代の心
――結成40周年記念大会「KANREKI CARNIVAL」が開催されます。これは立野さんから提案されたそうですね。
立野:実は、まったく開催する予定なんてなかったんです。「もうプロレスはできない」「やるつもりもない」と本気で思っていました。昨年、40周年の話をいただいた時も、「私たち二人の力では何もできない」と断っていたくらいです。
――何か気持ちが変わる出来事があったのでしょうか?
立野:ずっとお世話になっていた栗原あゆみちゃんのお父様が今年1月に亡くなられて。その後、2月の終わり頃にあゆみちゃんのお母様と飲む機会があって、そこで言われたんです。「のりちゃん、あなたがプロレスをしている姿を、もう一度見たい」と。
もちろん、即座に「いやいや、無理です」って答えました。ところが、2024年7月に渋谷シュウちゃんがチェリーちゃんの20周年大会にバトルロイヤルで参戦して「すごくいい試合をした」って聞いて「シュウちゃんができたなら、のりちゃんもできるよ」って言うんです。
その瞬間、心のどこかでスイッチが入って「え、シュウちゃんができるなら、私もできちゃうかも?」って(笑)。
さらに「パパものりちゃんがプロレスをしたら、すごく喜ぶと思うの」と。その言葉を聞いた瞬間、ゼロパーセントだった気持ちが一気に100パーセントになりました。すぐにGAMIに相談してWAVEで押さえていた会場を譲ってもらいました。「イベントやるよ!」って、五紀に伝えたら「わかった!」って一つ返事。そこから一気に動き出しました。
