Sareeeは親友である”なつぽい”の心に闘いの火をつけた
11月10日、新宿FACEで開催されたSareeeの自主興行「Sareee-ISM」が開催、メインイベントは、団体の垣根を超えた豪華なスペシャルタッグマッチ。SareeeはIWGP女子王座戦で意気投合した鈴季すず(スターダム)と異色のタッグを結成。対するは、スターダムからSareeeの親友・なつぽい、そのパートナーはSareee最大のライバル・橋本千紘(センダイガールズプロレスリング)。
Sareeeが鈴季すずを倒しIWGP女子防衛「お前サイコーだな!」
記者会見でSareeeは、「最近のなつぽいは、くすぶってんなーって感じている。スターダムの中で、言い方は悪いけど“飼い殺し”にされてんだな」と、親友の現状を率直に分析。続けて「(なつぽいは)自分次第だと思う。本当にもっと上に来てほしい。そんなきっかけになる試合になったらいいなと思っています」と語り、なつぽいにエールを送った。
対するなつぽいは「このカードを見た時、(Sareeeの)愛を感じた」と返し、全てはリング上で示すと静かに闘志を燃やしていた。
先発はSareeeとなつぽい、ロックアップで力比べ。離れ際にSareeeは張り手を放つ。初遭遇のすずと橋本は正面からぶつかり合い、橋本がショルダータックルですずを吹っ飛ばす。
11月16日、仙女の後楽園大会でシングルマッチが決まっているSareeeは橋本とエルボー合戦。すずも加わるが、橋本はSareeeとすず2人まとめてラリアットでなぎ倒す。
15分が経過、なつぽいのボディプレスをSareeeが剣山で迎撃、すると攻撃が一気に加速。すずのアシストを受けSareeeがダイビング・フットスタンプ。頭突きを連発し裏投げを狙うSareeeに、なつぽいは隙をついたローリングクレイドルでフォールを狙うもすずが間一髪カット。最後はリストクラッチ式裏投げが決まり、Sareeeがなつぽいから3カウントを奪取した。
試合後、Sareeeは「なつぽい、あんたすごいよ。いつもの笑顔だけじゃない、本気のあんたもかっこいい。もっと自信を持てばいいのに。今日、私と闘ってどう思った?」と言葉を投げかけた。
突然の問いかけに、なつぽいは「ヘラヘラしてるわけじゃない。団体の中でトップを走り続けるのは本当に苦しい。いろんなことを考えて、会社とも喧嘩してぶつけ合ってトップを取るために、毎日毎日必死に頑張っている。
でも、努力しても“会社に押されてる”だの。そういう言葉で片付けられてしまう。今、何に悩んでいるのか…何にもがいているのか…どこに向かって走っているのか…プロレスが楽しいかどうかもわからなくなった。
だけど、今日の試合がメチャクチャ楽しかった。笑っているのは楽だった。ヘラヘラしているわけじゃなくて、笑っているのが楽だった。でも、本当は魂燃やすような、こういう戦いをずっとしていたい」とトップ選手としての苦悩と本音を吐露。
そして「Sareee、改めて今日私ここで誓うわ。“Sareeeをぶっ潰す”。私にとって、赤いベルトとか、白いベルトとか、IWGPとかいろんなベルトがあるけど、私にとってSareeeをぶっ潰す。それが一番価値を感じる。宣言するは“必ずSareeeをぶっ潰す”。それまでは…ばいぽい」と宣言しリングを後にした。
11月10日、Sareee-ISM。それは、Sareeeがなつぽいに“再び魂を燃やすリング”を取り戻させた夜となった。
