
この夏、高校野球界を激震で揺らした広島・広陵高校。ここに来て再び不祥事の事案が明らかになった。
日本学生野球協会は4日に、同高のコーチに不適切な指導並びに報告義務違反があったとして、謹慎3カ月の処分を下したと発表した。
コーチは4月下旬、寮の見回りをしていた際に廊下で騒いでいた2年生部員を約1分間正座させ、口頭で指導したというもの。不適切な指導というのは、例え1分あっても正座をさせたことが対象であると判断された。
8月に開催された「第107回全国高等学校野球選手権大会」(夏の甲子園)を史上初の不祥事による途中辞退となった広陵高だが、その発端は1月の暴力事件だった。
この事案は県の高野連へ事案を報告し、3月に厳重注意と当該部員の1ヶ月間の対外試合出場停止の処分が科されていたが、その後大会に出場する中で被害者の保護者と見られる者がSNSで投稿したことで批判が急速に広まっていた。
一度は高野連も許可を出し甲子園に出場していたが、連日報道がなされたことから、批判が止まず出場を辞退。これを受けて、当時の中井哲之監督とその息子の中井惇一部長は交代していた。
一方で今回の不適切指導については、これらの問題を受けて8月20日に実施した1・2年生部員へのアンケートによって発覚。
起きたのが4月下旬であり、暴力事件による処分期間中と被っているまたは近しかったため、ネット上では「別に驚くこともないが、日常的に不適切なことが横行していたのではないか」という意見もあった。
なお、今回は暴行事案などは確認されなかったとして野球部は対外試合を再開しており、当該コーチのみの処分となった。
史上初の不名誉な形で甲子園を去り、クリーンな形でリスタートを切ったはずの名門。新体制前とは言えどもまたもや不祥事が明るみに出てしまい、他の事案がまた明るみに出る可能性も示唆されている。
記事/まるスポ編集部