夏の甲子園を辞退した広陵高 ニュースやYouTubeでは見解が述べられ、中には物議を醸す意見も

広陵高辞退によって意見がメディア上で述べられている(写真はイメージ)

広陵高校が史上初の不祥事による途中辞退となった「第107回全国高等学校野球選手権大会」(夏の甲子園)。

広陵高が史上初の不祥事による大会途中での辞退

14日に津田学園(三重)との試合が予定されていたが、広陵の辞退により不戦勝に。第3試合の後に甲子園での練習を実施した。

次の3回戦が17日と、間隔が空いてしまうため同校の意向に沿った形で試合と同じ時間帯に1時間行われた。終了後にはナインが校歌を熱唱する異様な光景となった。

広陵では、1月下旬に当時1年生だった部員が禁止されていたというカップラーメンを寮で食べたことがきっかけで、複数の2年生部員が暴力を振るう事件が起きていた。

県高野連は事案の報告を受け、3月に厳重注意と当該部員の1ヶ月間の対外試合出場停止の処分を科していた。それが明るみに出ることはなく、7月の県大会を勝ち抜き甲子園出場を決めていた。

しかし、暴行を受けた保護者と見られるSNSの投稿から事態は急展開に。具体的な被害内容や中井哲之監督の言葉など記されており、批判の声は強まっていった。

それでも高野連は大会出場を容認し、広陵は7日の旭川志峯(北海道)戦に3-1で勝利。一部試合後が握手を拒否するような動きが拡散されるなど異様な雰囲気に包まれた。

そして批判の声は止まず、10日に辞退が発表されることとなった。

この出来事はSNSやTVそしてYouTubeなどで意見が述べられている。

テレビのニュース番組では、アナウンサーが「(暴力とは)別で、SNSの何気ない投稿が高校球児の夏を終わらせてしまうということも投稿する前に考えてほしいと思います」とコメント。

しかし、瞬く間にそのシーンの掲載や発言の抜粋と共に「加害者を擁護している」などという意見から、そのSNSで物議を醸した。

また、プロ野球界からは高木豊氏が一連の事件について自身のYouTubeチャンネルで言及した。

今はコンプライアンス重視で昔では当たり前とされてきた理不尽な上下関係などは通用しない時代となっているが、それを踏まえ「なんでこの時代にそういうこと(暴力)をするかね」と驚きを隠さなかった。

「団体競技でみんなが守っていることならば、そのルールを破ったら罰則があっても然るべき。でも殴る蹴るってなんでそこまでするのかな」

また高木氏は高校時代の監督が広陵OBで、同校の話を通じて学んだこともあり、他人事ではなかったという。それだけに率直な感情を吐露した。

  「中井さんは監督として素晴らしいと思っていて、聞いた話では『僕は野球なんて僕は教えていない。野球は生徒が勝手にうまくなっていく。私は今後生きていくための人間教育をしているんだ』と。それが根底から崩れる結果になってしまったのが本当に残念で仕方ない」

中井監督は、学校が部の運営体制や環境を調査する間は指導から外れるため、その調査結果でどのような形になるのか。

名門の行く末と、このような不祥事を撲滅するための“大人たち”の適切な対応に今後注目される。

記事/まるスポ編集部

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