
プロ野球の指名打者(DH)制度の導入で急展開を見せた。ついにセ・リーグでDHの導入が決定、27年シーズンから採用されることとなった。
4日に両リーグの理事会と実行委員会が都内で行われ、同日発表された。
世界各国の主要リーグや、日本のアマチュアを含めて唯一採用が決まっていなかったセ・リーグでもついにDH制度が導入される。
19年に当時巨人の監督だった原辰徳氏が提案してから合意に至らなかった中、とうとう歴史が動いた。
セ・リーグとしては野球発祥時からの“9人野球”の重みと伝統、プロ野球の発展に貢献してきたリーグの歴史や役割、セ・パで異なる醍醐味などを踏まえてこの9人野球を続けてきたと説明。
先日高校野球において来年の選抜大会でDH制度が導入されることに加え、東京六大学そして関西学生野球連盟でも来春導入されることが決定した。
これらの動きから「世界的に見てもセ・リーグだけ」とされ、ファンからも“いつ導入されるのか”注目されていた。
また、27年シーズンからということで「なぜ来年からじゃないの?」という意見もあるが、それは編成の観点から準備期間が必要だった。
外国人選手やドラフトなど選手獲得に関わる動きは、すでにDHのない野球を前提としていることから、スカウティングに影響することを鑑みて期間を設けることとなったのだ。
DH制度によってレギュラーが一人増えることや、これまで打撃に秀でた選手でも守備に難があることで出場機会が限定されたり、そもそも指名や獲得が見送られた選手にも光が当たる可能性がある。
また投手が打席に立つことによる故障リスクや、局面によって“打つ気のない”投手を打席に立たせる印象面の回避などメリットが数々挙げられている。
一方でレギュラーを一人確立することによる年俸や補強といった人件費がさらに経営に負担を強いるデメリットも指摘される。
ただ、国際基準にもなっていることから、もはや時間の問題と見られていた。
9人野球の重みと伝統を貫いてきたセ・リーグが、時代の移り変わりと共に大きな決断を下した。
記事/まるスポ編集部