【マリーゴールド】高橋奈七永、約29年間のパッション全う!青野未来に継承し引退へ「私の姿がみんなの一歩になれたら」

「道に迷ったとき、 “パッション” って呟いて、一歩踏み出してください」と奈七永

5月24日、代々木第二体育館で『マリーゴールド1周年記念&高橋奈七永引退記念大会』が開催された。

この日引退する高橋奈七永は1996年7月に全日本女子プロレスでデビュー。その後スターダムやSEAdLINNNGの旗揚げに参画し、2024年4月、“引退を見据えて” マリーゴールドに入団。

「パッション!」と叫び観客を鼓舞するファイトスタイルで、 “プロレス界の人間国宝” として女子プロレスを席巻してきた。

引退試合の対戦相手に名乗りをあげたのは青野未来。マリーゴールド旗揚げから共に過ごしてきた2人の物語が動き出したのは2024年9月、リーグ戦での初シングル。

「一歩引いている」と評価されてきた青野だが、「私にも熱いパッションがあるから!」と意気込み、試合は時間切れドロー。

「私はあなたを超えるから、まだまだ辞めないでください」と奈七永への想いをあらわにしてから、シングルは組まれないまま約8ヶ月。

ついに引退する奈七永の前に、青野は立つ決断をした。奈七永の現役最後の試合であると同時に、青野にとっても自分の殻を完全に破る大切な試合。

試合は序盤から青野のサッカーボールキックが炸裂。奈七永もパワー全開で迎え撃つ。場外で乱闘を経て、パイプ椅子をリングに投げ入れ向かい合うと、張り手合戦から蹴り合いにヒートアップ。

青野がミサイルキックを放ち、奈七永は雪崩式ブレーンバスターを決める。奈七永の “冷蔵庫爆弾” に、青野もスタイルズクラッシュを見舞う。

最後は青野が奈七永の必殺技 “ワンセコンドEX” を決め、3カウント。青野が奈七永を “継承” して試合終了のゴングが鳴った。

バックステージで青野は「(自分の)パッション、奈七永に届いたかな…」と涙

試合後、青野は「高橋奈七永、(29年分の重みが)めちゃくちゃ重かった!あなたのおかげで自分でも知らない青野未来が出せた。ずっと心に高橋奈七永を置いておくから」とマイク。

奈七永は「辛いこと苦しいこと、たくさんありました。だけどそれ以上に、プロレスが私の人生の生き甲斐でした」と振り返る。そして「私の姿がみんなの何かしらのこれからの歩く一歩になれたら嬉しい」と語った。

青野に死に物狂いでぶつかっていく奈七永の姿は「観客の心をも救ってやる」と言わんばかりで、観ていると自分の苦しい記憶さえも浄化されるような不思議な感覚に陥った。

青野はじめ次世代の選手だけでなく、代々木に集まったすべての観客にパッションを伝導し、“人間国宝” はリングを去っていった。

<インフォメーション>
5月30日(金)は熊本市森都心ホールで、31日(土)はアクロス福岡で試合が開催。

詳細はマリーゴールド公式ウェブサイトをご覧ください。
■試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。

記事/藤本桃子

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Share me!
  • URLをコピーしました!
目次