【カヌー 古谷利彦】国民の皆さんの不安を少しでも無くし安全安心の中で大会を開催する。それが私たちの使命(前編)

――ところでカヌー競技全般の見どころを教えていただけますか。

古谷:東京五輪の競技日程では先にスラローム(7/25〜7/30)が行われます。スラロームセンターは日本で最初の人口コースです。前回大会でオリンピック史上アジア初銅メダルを獲得した羽根田卓也選手だけでなくメダルに近づいている選手が多いです。

 例えば、足立和也選手は過去2回W杯で表彰台に上がっています。また女子の矢澤亜季選手も世界ランキングで上位にいます。是非、メダルにチャレンジして欲しいですね。

 スラロームの見どころは、スピードとパワーだけではなくスキル。これに注目して頂きたいと思います。

――激流の中でバランスを取るパドルさばきは魅力ですよね。

古谷:そうです。次にスプリント(8/2〜8/7)。男子カヤックフォアは松下桃太郎選手が中心となり4選手でメダルに挑みます。実は松下選手は、私が高校教員時の教え子です。同じ石川県小松市出身。2012ロンドン五輪の際、私が国際連盟の審判をしつつ、元教え子の彼がレースを走る姿を見るのは感慨深いものがありました。

 陸上や水泳でリレーが脚光を浴びるように、4人組で挑むカヤックフォアも花形競技の一つ。国の威信をかけて戦い、世界でも10艇しか出場することができない。今回日本チームはアジアでトップになり東京五輪出場が決まりました。

 これに続き、新しく採用された競技「女子カナディアン」やカヤックでも代表になってもらいたい。タイで5月5日から7日にかけてアジア予選が行われます。そこで1枠でも多く東京五輪出場の切符を確保してほしいと願っています。

 スラロームに関しては代表4選手が確定しているので、東京五輪に照準を合わせてドンドン練習をしてほしいです。スプリントについては、男子カヤックフォア以外アジアの中でトップにならなくてはいけないですね。

――次にパラカヌーですが、注目は瀬立モニカさんでしょうか。

古谷:瀬立さんの腕が太くなり、パドルを持つ姿が逞しく見えます。彼女の発する言葉はポジティブで、常に人々に希望を与えてくれる。パフォーマンスも含め、彼女の発信力は素晴らしいものがありますね。世界選手権を5位で通過したので、メダルまであと一歩。ぜひ頑張って欲しいと思っています。

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