山形県高校総体の個人形で優勝、個人組手で準優勝を果たし、2種目でインターハイ出場を決めた東海大学山形高校3年の青木選手
競技と学業を両立した高校生活
学校生活を過ごす中、大会とテストの時期が重なることもある。テスト期間は学校の部活動が休みになるため、日中は勉強に集中し、夜は道場で練習、帰宅後に再び机に向かう日もあった。
渡辺先生は、競技だけに終始せず、学業にも向き合う青木選手の姿を見てきた。
「空手だけに偏っているとは感じません。赤点を取ることもなく、競技と学業をしっかり両立しています。空手の『形』を覚えるのが早いという話もありましたが、何かを覚える時に自分なりの工夫やノウハウがあるのかもしれません」
高校生活最後の文化祭では、クラスメートと模擬店を出した。担当したのは、から揚げとポテト。普段は空手道部の仲間と過ごす時間が多い青木選手にとって、クラスメートと協力して準備を進めた文化祭は、高校生活の思い出の一つになった。

支えられた経験を、誰かの力に
高校卒業後は大学へ進学し、空手を続ける予定だ。将来は社会福祉士として、人を支える仕事に就くことを目指している。
その思いを強くしたのは、けがを経験したことだった。取材前日まで、青木選手の右足はギプスで固定されていた。高校生活最後の大会となったミニ国体の個人組手で、試合終了まで残り2秒の場面に足をひねった。試合は同点のまま判定にもつれ込み、敗れた。
悔しさが残る一方で、けがをした自分に寄り添い、支えてくれた人たちの存在を改めて感じた。もともと医療や福祉に関心を持っていた青木選手は、治療そのものだけでなく、不安を抱える人のそばに立ち、支えられる仕事に就きたいと考えるようになった。
引退後も道場で練習を続け、大学での挑戦に備えている。
「大学では、まず練習についていけるようにしたい。その後は学年に関係なく、大会でも結果を残せるようになりたいです」
右足のけがが癒えきらない中でも、青木選手は笑顔を絶やさず、大学での空手と将来の目標をまっすぐに語った。畳の上で仲間と積み重ねた3年間は、次の挑戦と、いつか誰かを支えるための力になっていく。
(了)
青木朱莉(あおき・あかり)
東海大学山形高等学校3年。小学3年から空手を始め、得意とする形で早くから実績を重ねた。2026年山形県高校総体では個人形で優勝、個人組手で準優勝を果たし、二種目でインターハイ出場を決めた。卒業後も競技を続け、将来は社会福祉士を目指す。
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編集/まるスポ編集部
写真/本人提供
