――最近も全日本プロレスや超日本プロレスなど、メジャー・インディに関わらず幅広く参戦されていますね。
永田:昔は「新日本プロレスこそ正義で、他団体はダメだ」と言われた時代がありました。その後、新日本から派生したUWFが登場すると「新日本は弱い、だからダメだ」と価値観のもと罵り合うという時代もありました。
でも今は日本全国に120以上のプロレス団体に分散され、ファンの好みも多種多様です。団体経営の良い悪いはあるかもしれませんが、それでも成り立っているのは、プロレスという1つの文化が日本にしっかり根づいたんだと思います。
海外でもWWEやAEWなど大きな団体はいくつかありますが、インディペンデント団体も数多く存在しています。お客様はさまざまなタイプのプロレスを観て、決して安くないチケットやグッズを買い、心から喜んで帰ってくれる。プロレスが世界に広がり、日本も世界に負けず追いついてきたなと感じますね。
――永田選手から見て、インディ団体はいかがですか。
永田:インディ団体は、メジャーと同じことをやっていては太刀打ちできません。しかし試行錯誤を重ねて団体を継続していく中で、堂々とメジャーで戦える選手を育てています。例えば大日本プロレスは、若手がデスマッチ路線ではなく、バンバンぶつかり合うプロレスをしています。
DDTプロレスも独自の路線で試行錯誤を重ね、ケニー・オメガ選手、飯伏幸太選手、竹下幸之介選手とG1を制覇する選手を3人も輩出しました。これはDDTプロレスが自前の選手をしっかり育てた結果だと思います。
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――超日本プロレスではバラモン兄弟と対戦されましたが、いかがでしたか。
永田:彼らは独自の価値観でプロレスをしていますね。でもバラモン兄弟のプロレスを見て、大騒ぎして喜ぶお客さんがいる。落武者のような、日常生活ではできない格好をして、自分たちのプロレスを徹底しているなと思いました。普通あそこまでできないですよ。
自分もさまざまな価値観を持った選手と触れ合えるのは、長年のキャリアがあったからこそだと思います。
<後編へ続く>

<インフォメーション>
9月7日(日)千葉・東金アリーナで「永田裕志 Produce Blue Justice XVI ~青義奉謝~」が開催されます。メインイベントは「棚橋弘至ファイナルロード~縁(えにし)」と題し永田裕志vs棚橋弘至が激突。詳細は新日本プロレス公式サイトをご覧ください。
写真提供/新日本プロレス