
8月3日、新日本プロレス『G1 CLIMAX 35』福岡大会のメインイベントで、Aブロック公式戦・棚橋弘至と辻陽太が対戦した。
辻にとって棚橋は、学生時代に声をかけられたことをきっかけに新日本プロレスへの道を決意させた“原点”の存在。ヤングライオン時代には付き人も務めており、まさに特別な一戦となった。

静かな緊張感が漂う中、試合は序盤からグラウンドでの探り合いに。棚橋は左足への集中攻撃でリードを奪うと、トーホールド、インディアンデスロックで辻を少しずつ追い詰めていく。
辻もスキを逃さずスワントーンボム、ジャンピングボディプレスで反撃すると、一気に流れを引き寄せる。終盤は両者が得意技を潰し合う白熱の展開。ジーンブラスターを狙う辻に対し、棚橋はスリングブレイドで応戦。最後はハイフライフロー3連発で勝負を決め、同時に記念すべきG1通算100勝を達成した。

リングを降りた辻は、永井大貴に肩を借りながら退場。棚橋がリング上から視線を送ると、辻も白い歯を見せて応えた。
試合後、棚橋はマイクを握り「本当に不思議なもので、皆さんの応援が聞こえるたびにレスラーはエネルギーをもらって、どれだけでも立ち上がることができます。本当にありがとうございます!」観客へ感謝を伝えた。
棚橋は続けて「まだまだ俺も諦めてませんから。生まれてから諦めたことないですから。最後まで全力でちょっくら優勝してきます!」と力強く宣言。

そして会場から大きな拍手と歓声が響くと、棚橋は涙をにじませながら「福岡の皆さーん、愛してまーーーすッ!」と締めくくった。
”エース”と呼ばれ、戦い続けてきた男が刻んだ「G1通算100勝」という偉業。その歩みと今もなお挑み続ける姿が、熱狂の福岡を包み込んだ。
記事/ミライカ
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