
長きにわたりプロレス界の最前線で活躍し続ける邪道選手。今回は、公私にわたる最強のパートナー、外道選手との「熟年夫婦」にも例えられる関係性の深堀りから始まる。二人が共に歩んだインディー団体での苦難、そして「冬木軍」で経験したエンタメプロレスの萌芽。時代と共に変わりゆくプロレスの”変換期”を肌で感じてきた邪道がたどり着いた、「プロレスは心理学」という独自の境地。お笑いとの共通点も交え、観客の心を掌握するサイコロジーの奥深さを解き明かす。(取材/大楽聡詞 文/ミライカ)
目次
冬木弘道や外道とともに「冬木軍」を結成
――メキシコ再遠征から帰国後は、W★INGなどのインディー団体に参戦されました。その頃から外道さんとご一緒でしたか?
邪道:そうですね。いつも外道と行動を共にしていました。
井上亘さんが歩むセカンドキャリア(中編)「メキシコではオカダ・カズチカ選手の使っていた部屋が私に回ってきました」
――外道さんとは相性が良かったんでしょうか?
邪道:馬が合ったんじゃないですかね(笑)。気がつけば一緒にやって36年ですよ。家族より一緒にいましたから。
――もはや空気みたいな存在?
邪道:そうそう。熟年夫婦みたいなもんですよ(笑)。
――その後、インディー団体を渡り歩かれて、1994年頃からは冬木弘道さんや外道さんとともに「冬木軍」を結成されました。冬木さんから学んだことも多かったのでは?
邪道:そうですね。今でこそ“エンタメプロレス”って普通になってますけど、当時はまだ早すぎたかもしれません。タイミングというか、時代が追いついてなかったのかも。