
6月25日、新宿FACEで髙木三四郎30周年プロジェクト「M&Aプロレス~サブタイトル未定~」が開催された。髙木のデビュー30周年を記念し、団体の垣根を越えて選手を「MatchMake & Agent」する今大会。第3試合はフリーの長谷川美子とスターダムの向後桃のシングルマッチ。
【DDT】男色ディーノプロデュース「わんわんパラダイス」。異例の決着!動物愛に目覚めたのは?
2人は2019年にアクトレスガールズでデビューした同期。長谷川は怪我による長期欠場を経て、2022年にガンバレ☆プロレス所属で再デビュー。現在はフリーで東京女子プロレスに参戦。7月8日新宿FACE大会をもってプロレスから引退することを発表した。
長谷川と最後の同期対決を迎える向後。自身のXでは「練習もセコンドもたくさん一緒だった。長期欠場しても諦めずプロレスに戻ってきた美子さん」と、とアクトレスガールズ解散以来の長谷川に思いを馳せる。
試合は両者「お願いします!」と力強い握手で開始。序盤はスピード感ある攻防。向後がドロップキックで先制。長谷川もドロップキックで反撃し、向後の膝を攻めていく。向後の脇固めを振り解いてブレイク。

長谷川のダイビング・クロスボディはカウント2。両者向き合うと激しくエルボーを撃ち合う。向後が顔面キックを連発し、最後は必殺技「ネクターピーチ(リストクラッチ式フィッシャーマンズ・スープレックス)」で長谷川から3カウントを奪った。
試合後、向後は「私たちはアクトレス唯一の同期で、練習もセコンドもいつも一緒で。デビューは私が先だけど、他団体参戦は美子さんが先で、正直めちゃくちゃ悔しかったけど、(長谷川が)他団体初参戦のときに私がセコンドにいたら、 “誰もセコンドついてくれないと思った、ありがとう。” とお礼言ってくれて。その帰りに2人でラーメン食べに行って」と2人の思い出を振り返る。
続けて「 “(向後が)他団体参戦のときは私がセコンドに行くから” って約束してくれて、その年の12月31日、私が他団体参戦が決まったとき、忙しい日なのに本当にセコンドに来てくれて。団体は別れたけど、また、こうしてあなたとリングで繋がれたことが嬉しいです」とマイクした。

長谷川は「2019年の唯一の同期で、お互い不器用だからずっと新木場の楽屋で怒られ続けて。1時間くらい怒られて、帰りの電車のホームで泣きながら反省して…。生きづらかったけどさ、こももさんがいたから今私はここのリングに立ててるんだ。スターダムさんも東京女子プロレスも、髙木さんも、引退ロードをあたたかく見守ってくれて、ここにいるみなさんも含めて全員に感謝したいと思います」とマイクし、熱く抱擁を交わした。
バックステージで向後は「よっぴー、引退前の大事な大事なシングルに私を選んでくれて、本当に本当にありがとう。これが最後なんだと思うとめっちゃ切ないよ…」と涙を隠せない。
長谷川は「今日があるのがこももさんのおかげでもあるから、私はこれからもずっとこももさんの活躍を陰ながら応援させてもらいます」と感謝し、深く頭を下げて握手した。
別の道に進んでも、絆が消えることはない。2人は清々しい笑顔で「ラーメン食べに行きます!」とバックステージを後にした。
<インフォメーション>
7月8日(火)新宿FACEにて長谷川美子卒業記念興行「NonfictioN」が開催。長谷川美子卒業記念試合~1vs27ハンディキャップマッチが行われます。詳細は東京女子プロレス公式サイトをご覧ください。試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEでお楽しみください。
記事/藤本桃子