――MAOさんと勝俣選手のハードコアは既存のものとは違い、すごくポップなハードコアですよね。

MAO:2人の共通認識として、ただ凄惨なものを見せたいわけではないんです。ハードコアマッチは激しいし痛い。でも「見やすさ」であったり、いかに「DDTファンにも受け入れてもらえるか」を2人で考えてやっています。勝俣さんはブロックやオモチャを使ってポップに見せる。僕は等身大の痛さを感じてもらえるよう、どこの家庭にもあるプラケースを使います。「このプラケースが、あんなに激しく割れるんだ」と実感してもらえる。会議用のテーブルやパイプ椅子より身近なものを使いますね。

――色々工夫されていますね。そして3.20両国「Judgement2022~DDT旗揚げ25周年記念大会~」で佐々木大輔選手、葛西純選手と3WAYを行いDDT UNIVERSAL王座獲得。念願だったシングル王座獲得はいかがですか?

MAO:試合前から「存在感」と声を大にして言わないと、リング上で僕の存在が消されてしまう2人。2017年3月さいたまスーパーアリーナのメインアリーナで王者が佐々木さん、挑戦者が葛西さんのDDT EXTREME級選手権試合がありました。その2人の戦いに僕が入るのか…とプレッシャーもありましたが、「どこかで出し抜いてやろう」と考えていました。

【DDTプロレス 3.20両国大会】Judgement2022〜DDT旗揚げ25周年記念大会〜

――いつも以上にMAOさんが客観的に試合を見ている気がしていました。

MAO:いかに「ちゃっかり勝つか」を考えていたので真正面から戦うつもりはなかったですね。それが3WAYの妙で「佐々木さんと葛西さん2人だけの世界をつくること」に心血を注いでいました。2人が僕を無視すればするほどオイシイ立場になると(苦笑)。

――リング下で息を潜めていましたね。

MAO:中盤からシレッと隠れていました。「2人の世界に入ってくれないかな」とタイミングを見ていました。

――その作戦が見事功を奏してDDT UNIVERSAL王座獲得しました。念願の初タイトルを腰に巻いていかがでしたか?

MAO:本当に長かったですね。自分が「シングルベルトに挑戦できる」と思ったのが2020年2月。当時王者だった田中将斗さんに挑戦したKO-D無差別級タイトル戦。そこからシングルベルトを獲得するまで2年間…本当に長かった。この2年間は本当に辛いことが多かったので、「やっと楽しくなる!」と実感したタイトル奪取ですね。

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