【シダックス 梅沢直充】野球界全体をマネジメントしたい(第三回)

――まだリサーチする前でしたからね(笑)。野村さんはキャッチャー時代にもありましたよね。銀座や新地で常連客として姿を見せるライバル選手の情報を仕入れて、バッターボックスでささやいて翻弄させる「ささやき戦術」。

梅沢:監督は帰宅してから店に電話して裏を取った。私も一応言い訳をしたんですが、「オレは昔から温厚で知られているんだ。そのオレがこれだけ怒るんだから、どういうことか分かるか!」と聞く耳持たずもうカンカン。私が横道に逸れるのでは?と思い、それを必死に防いでくれたのでしょう。いま思うと、愛の一喝だったんでしょうね。

――野村さんから愛されていたんですね・・現在はシダックスの志太勤・取締役最高顧問の元で12年間勤務しています。会社のトップの方を支えてみていかがですか?

梅沢:会社を経営するのはこんなに厳しさを持ってやっていかねばならないのか、と痛切に感じます。とにかく神経を研ぎ澄まして、常に厳しい姿勢で社員や物事に対応している。要は「一寸先は闇」、少しでも気を緩めたら会社がどうなるか分からない。そういう危機管理を絶えず考えているからだと思います。

志太最高顧問からは「何事も”できる”と思って真剣に取り組め!」「物事は準備で80%決まる!」ということを学びました。これは、野村監督にも共通しているんですよ。「この程度でいいや」とか「これ以上は無理だろう」という妥協や諦めが一切ない。物事を達成するまで全てにおいて真剣勝負なんです。また、準備についてもそう。「野村野球は準備野球」と同じことを言っている。

――やっぱり成功者と言われる人はものすごいパワーや感性をお持ちなんですね。そんな方々の側にいる梅沢さんも気が休まる時がないのでは?

梅沢:よく言われるんですよ、「ウメちゃんってストレス耐性あるよね」って(笑)。特にストレス発散の術を持っているわけではないんですけど、噛み砕いて飲み込んだら意外と忘れるのも早いんですよ。「ハイ、つぎ!」と(苦笑)。

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