【パラカヌー 加治良美】「悔しかった」それが東京2020の気持ちです(前編)

東京2020パラリンピック カヌースプリント女子カヤックシングル(KL3)の日本代表。加治良美選手は中学2年の時に交通事故で両足を失い、その後車いすマラソンに取り組む。33歳の時、車いすマラソン大会を見ていたカヌー関係者に誘われてカヌー競技を開始。2021年5月、世界最終予選を兼ねたW杯で6位入賞、東京パラリンピック カヌー日本代表選手に。前編は加治選手に東京2020を振り返ってもらった。

――東京2020パラリンピックが終わり、2ヶ月が過ぎました。今の心境を教えてください。

加治良美(以下 加治):自分の中で東京パラでは「メダル獲得」を目標に掲げていました。それが決勝に上がることも出来なかった。「悔しかった」、それが1番の気持ちですね。

――パラリンピック カヌー競技が行われた9月2〜4日は悪天候、それがレースに影響が出たのではないでしょうか?

加治:横風ではなかったので自分にとって苦にならなかったです。気温の低下や雨とか自分にとって影響はありませんでした。

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――予選のタイムが55.777秒、準決勝のタイムが52.948秒と3秒近く縮めてきましたね。

加治:予選では、スタートを失敗してしまったのですが、実は東京パラリンピック大会の選手村に入る前に合宿で左脇腹を痛めたのです。自分では「すぐに治るだろう」と考え、練習を続けたのが間違いでしたね。選手村に入っても痛みが治まりませんでした。競技会場での練習もあまりせず、レース本番に向けて力を温存。帯同してくれたトレーナーやスタッフに治療を始め、出来る限りのサポートをして貰いました。でもカヌーに乗って息をするだけで脇腹が痛むし姿勢によっては動かなくても痛む。ただレースが終わるまでは公に言いたくないと思っていました。それを隠しながらの練習と本番レースでした。本来だったら合宿期間中50秒フラットくらいは出ていたので(東京2020パラ大会前の世界記録は51.348秒)、周りの人たちは「ビッグマウスだったね」と印象を受けられる方もいるかと思いますが、自分の中では本来の調子で大会に臨めなかったことが悔しくてしょうがないです。

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