水泳教室の多くが毎月または隔月で進級テストを実施する中、“ひまわり運動ひろば”では「年に1回」という独自のスタイルを貫く
12月1日、新たなスポーツメディア「まるスポチャンネル」がポッドキャスト番組としてスタートした。前回に引き続きゲストは、2005年設立の「ひまわり運動ひろば」代表であり、日本パラスポーツコーチの資格を持つメンタルコーチの今井礼子さんだ。指導歴20年以上のプロフェッショナルが語る、人を育てる上での「結果」と「プロセス」の重要性には、多くの指導者・保護者がハッとさせられるだろう。
「手を出さない」が正解? 元パラ代表の夫を持つメンタルコーチが語る、人を伸ばす究極の「見守る力」
■「毎月の検定」に抱いた違和感
今井さんは、水泳指導を通して子どもたちと向き合う中で、従来の指導システムに疑問を感じていたという。特に、多くの教室で行われている毎月・隔月の進級テストについて、番組内で強く言及している。
「(テストの)結果だけしか見ずに、評価するっていうことにすごく違和感を感じていて…子供達それぞれ上達するスピードが違う。結果が出ないイコール努力が足りない、と言われがちな環境に違和感がある」
結果の優劣だけで評価を下すことは、個々の子どもが持つ成長のスピードや、努力の過程を無視することになる。今井さんが運営する教室では、あえて進級テストを年1回に絞ることで、子どもたちに「自分で目標を立てる」自主性を促しているという。この大胆な方針は、自身の「子育てが終わった頃」に確信したものだと語る。
■挫折から生まれた「誰かを支える」天職
この哲学の根底には、今井さん自身の経験がある。高校時代に怪我で選手としてのキャリアを断念したが、「誰かのためにサポートする」というマネージャーの立ち位置に天職を見出した。 挫折を味わったからこそ、「結果が出ない時の心折れる気持ち」が理解でき、結果だけを評価することの危険性を知っている。
現在、彼女は水泳指導だけでなく、保育士や保護者向けの講演会も行っており、その「見守る」哲学は多方面に影響を与えている。
「健常・障がいの有無を問わず」指導を行う今井礼子さんの、深い指導論とキャリア論は、ポッドキャスト「まるスポチャンネル」で聴くことができる。
<インフォメーション>
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編集/まるスポ編集部
