
10月19日、地元・北海道石狩市。母校での凱旋大会に臨むタイチが、これまでの波乱万丈なレスラー人生を振り返る
夢を失い、パチプロへ:運命を変えた出来事
――高校を卒業してから進学はされたんですか?
タイチ:稚内にある情報技術の大学に進学した。「これからはコンピューターの時代になるから」と言われて。正直、他に行くところもなくて「推薦で入れるなら、じゃあ行こうかな」という感じだった。
――大学に進学していかがでしたか?
タイチ:入学してすぐの体力測定で、ぶっちぎりの数値を叩き出したんだ。「何だこいつ、何者だ?」みたいな感じになって、グレてる連中から「遊ぼうぜ」って誘われた。たぶん“強いやつ”って認識されたんだろうな。そこから、人生が一気に荒れ狂っていったよ。
――大学時代は、パチンコに入り浸ってしまった時期もあったとか。
タイチ:とにかく高校の3年間が本当にひどすぎて、自分の時間なんてまったくなかった。365日中360日くらいは練習していた記憶しかない。だから、糸が切れたタコみたいに一気にどこかへ飛んでいっちゃった。一人暮らしで自由だったし、いちばん楽しいはずの高校生活がなかった分、それを取り戻そうと思ったんだろうな。
――大学にはきちんと通われたんですか?
タイチ:通った記憶がない(苦笑)。目標を失ってフラフラしてた頃、友達に勧められてパチンコに出会ったんだ。それで大学は1年で辞めてパチンコ屋でバイト。当時パチンコは規制がゆるくて、めちゃくちゃ稼げたんだよ。
若い連中が毎日何万、何十万って稼いでるのを目の当たりにして「時給千円ちょっとで働いてるのが馬鹿らしいな」って思って。「これ、打つ方が儲かるじゃん」って気づいた瞬間、まさかのパチプロ人生が始まった。